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» 2018年02月06日 07時00分 公開

自然エネルギー:台風発電は実現するか、チャレナジーが風車を2020年に量産へ (1/3)

次世代風力発電機「垂直軸型マグナス式風力発電機」を開発するベンチャー企業のチャレナジーは、事業成果報告・記者発表会を開催し、創業からの成果と今後の事業計画を発表した。2018年8月から新たに開始する10kW試験機の実証結果を踏まえ、2020年以降に量産販売を開始する狙いだ。

[松本貴志,スマートジャパン]

最大瞬間風速33メートル/秒でも安定発電できた“台風発電”

 次世代風力発電機を開発するチャレナジーは2018年2月2日、事業成果報告・記者発表会を開催し、これまでの実証の成果と今後の事業計画を発表した。2018年8月には10kW(キロワット)の試験機による実証を開始し、2020年以降には量産販売を開始する方針だ。

チャレナジーが開発する垂直軸型マグナス式風力発電機 出典:チャレナジー

 チャレナジーは、2014年創業の「垂直軸型マグナス式風力発電機」を開発するテクノロジースタートアップ。一般的に普及している水平軸プロペラ式の風力発電機と異なる機構を持つ垂直軸型マグナス式風力発電機は、円筒を気流中で回転させた時に発生する「マグナス力」を利用し風車を回転させる。また、垂直軸の採用により強度の確保や、全方位から吹く風の発電利用が可能になった。

 この垂直軸型マグナス式を採用する風車は、従来の水平軸プロペラ式では低効率、もしくは発電が困難だった風速・風向が頻繁に変わる状況でも、安定して発電ができるという(関連記事:台風に負けない風力発電に挑戦、バイオマスで島のCO2を減らす)。

 同社は現在、1キロワット(kW)試験機を沖縄県南城市に設置し実証を行っている。2017年には3個の台風によって試験場が強風域に入り、その中の台風22号(2017年10月28日)が直撃した。最大瞬間風速は毎秒33メートル(m/s)にもおよび、試験機と同地域に設置されている水平軸プロペラ式風力発電機は故障防止のため風車を停止させたが、同社の試験機は安定して連続発電ができたという。

 同社CEOの清水敦史氏は「設計上、風速70m/sまで耐えることができる」と語り、台風やハリケーンが多く発生する地域や新興国で、台風を資源化する“台風発電”を目指すとしている。既に30を超える国や地域からの問い合わせがあり、2017年10月にはフィリピン国家電力公社と同国での共同実証に関する合意書を締結している。

※当初、「設計上、風速60m/sまで耐えることができる」と記載していましたが、「設計上、風速70m/sまで耐えることができる」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。

海外からの問い合わせ状況(クリックで拡大) 出典:チャレナジー
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