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» 2018年04月16日 07時00分 公開

省エネ機器:10年間で消費電力量の8割を削減した複合機、その技術の秘密とは (1/2)

10年間で、消費電力量の業界平均値を8割も押し下げた複合機。その取り組みに関してビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)の「プリンター・複合機部会」に聞いた。

[松本貴志,スマートジャパン]

 10年間で、消費電力量の業界平均値を8割も押し下げた――。そのような速さで省エネ化が進んだ製品に心当たりはあるだろうか? その答えは、複合機だ。

 オフィス機器の中で、無くてはならない存在である複合機。そんな複合機だが、日本メーカー勢が出荷台数ベースではグローバル市場の8割強を占め、日本のお家芸産業の1つであると言えよう。

 複合機はどのようにして印刷性能と省エネ化の両立を進めたのか。国内の複合機メーカーを取りまとめる一般社団法人 ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)の「プリンター・複合機部会」に取り組みを聞いた。

プリンター・複合機部会の参画企業 出典:JBMIA

複合機の省エネ化は“ちりも積もれば山となる”を実践

 オフィス機器の中でも消費電力量が大きい印象がある複合機だが、同部会副部会長の堀隆史氏は「旧来の機器では消費電力が大きい物もあったが、各社が技術開発を継続して行うことで少しずつ消費電力量を削減してきた」と語る。

複合機の消費電力量推移(クリックで拡大) 出典:JBMIA

 2005年に販売されたモデルと2015年発売モデルのカラー複合機について、消費電力量および電気料金の比較を行うと、2005年モデルでは1週間に11kWh(キロワット時)の電力を消費し、年間電気料金は1万5444円(1kWhあたり27円の場合)になると同部会では試算する。

 2015年モデルでは1週間の消費電力量が1.9kWh、年間電気料金は2668円。この場合、複合機を新モデルに入れ替えることで、約80%の消費電力量削減と年間1万2776円の電気料金を節約できるという。

 堀氏は、2015年モデルの複合機では40W蛍光灯(1日10時間点灯を週に5日とした場合)に匹敵するほど消費電力量を低減していると前置きし、「削減できる電力消費のマージンが過去と比べ少なくなっており苦しい状況ではあるが、現在も各社はさらなる省エネ化に向けて懸命に取り組んでいる」(堀氏)とする。

2012年モデルと2017年モデルの消費電力量(TEC値)比較(クリックで拡大) 出典:JBMIA
2017年モデルでは省エネ電気製品の環境ラベリング制度「ENERGY STAR」の改訂に合わせ、2012年モデルからさらなる省エネ化を果たした。
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