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» 2018年06月08日 07時00分 公開

自然エネルギー:落差10メートルで150世帯分の電力を生む、栃木県に小水力発電所

栃木件に農業用水路を利用した小水力発電書が完成。約10メートルの落差を利用し、150世帯分の年間使用電力量に相当する発電量を見込んでいる。

[長町基,スマートジャパン]

 栃木県が建設を進めてきた、農業用水路を活用した小水力発電書が2018年4月から運転を開始した。三栗谷用水土地改良区(栃木県足利市)と待矢場両堰土地改良区(群馬県太田市)の共用施設である矢場幹線水路を利用した「待矢場三栗谷発電所」(群馬県太田市)だ。

 今回の事業は小水力発電を導入し、その売電収入を両土地改良区が管理する農業水利施設の電力費用に充てることで農業用水利施設の維持管理費軽減と、農業生産性の向上や農村地域の活性化および環境に配慮した再生可能エネルギーの有効活用を図ることを目的としている。

 2012年度に予備調査を開始し、2016年度に用地を買収、発電設備工事、発電施設建設工事に着手した。2018年4月に完成し、発電を開始している。総事業費は2億2100万円。有効落差は10メートルで、年間発電量は約150世帯分の年間使用電力量に相当する44万9126kWh(キロワット時)を見込んでいる。

「待矢場三栗谷発電所」と導入したチューブラ水車 出典:栃木県

 水力発電は流水エネルギーに水車を回転させ、その回転を発電機に伝え、発電する仕組み。落差が大きく、流量が多いほど発電量が増加する。水車にはさまざまな形状があり、発電環境により効率的なものが選択される。同発電所では落差が比較的小さくても発電効率のよいプロペラ水車(チューブラ水車)を導入した。

 同発電所のプロペラ水車は、可動式ランナベーンを採用している。これはランナベーンを稼働することで水量調整を行うことができ、流量変化のある環境での運用では、より効率の良い発電ができるという。

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