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「万博? 楽しいわけないでしょう。仕事で行ってるんだから!」Survey Weekly Access Top10

» 2005年04月27日 18時46分 公開
[松山由美子,ITmedia]

 トップは「愛・地球博」に関する調査。まだ「行った」人のほうが少数派だが、7割が楽しかったと回答している。GWに訪れる計画を立てている人も多いのではないだろうか。編集部でも開幕前のプレス公開日にN記者Y記者が会場を訪れ、開幕後の休日、記事のネタのためだけに自腹で始発の新幹線に乗り名古屋に向かったO記者などすでに数人が体験者だ。調査しようとN記者に「万博、楽しかった?」と聞いてみたところ、「楽しいわけないでしょう。仕事で行ってるんだから!」と恫喝された。失礼しました。

 「万博」こと国際博覧会は、国際博覧会条約に基づいて、正式に博覧会事務局(BIE)に登録、あるいは認定されたものだけが「国際博覧会」と名乗れるそうだ。第1回は1851年ロンドンのハイドパークで行われた。このときには目覚まし時計、シャワー付きお風呂、輪転機などが展示されたという。以降、万博は、エジソンの蓄音機や自動車、地下鉄、動く歩道、ナイロン、テレビといった新しい先端技術や、パリのエッフェル塔などの建築物、芸術作品を世界に向けて発信する場だとなった。変わったところでは、ディズニーランドのアトラクション「イッツ・ア・スモール・ワールド」は出展企業の依頼で1964年のニューヨーク万博のために作られたものだ。好評だったため、終了後はディズニーランドに移されたというエピソードがある。

 筆者が子供のころに万博を訪れたときは、広い会場と外観も展示物もユニークなパビリオン、多くの人々に圧倒された記憶がある。使用されている技術が何かはわからなくても子供心に「すごいなぁ」と思ったものだ。

 今では、万博で公開されてきたようなさまざまな技術の発達により、わざわざ時間をかけて万博会場に足を運ばなくても、即座に情報を得ることができる時代になった。万博そのものが、毎日テレビやインターネットでいやというほど紹介されており、すでに「愛・地球博」通になってしまった人もいるのではないだろうか。そもそも情報を発信する側も、莫大な費用をかけた博覧会など参加しなくても、インターネットで公開したほうが手っ取り早いしより多くの人に知ってもらえる。「万博」という大掛かりなイベントが、だんだん今の時代にはそぐわないものになってきた気がする。新しい技術の発信元として開催されてきた「万博」の一番の話題が「冷凍保存されたマンモス」というのもちょっぴり皮肉だ。

 え? 子供のころ訪れた万博は何かって? え〜と、「つくば科学万博(国際科学技術博覧会)」ということにしといてくださいよ。武士の情けで。

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