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謎の生成AI「gpt2」登場で騒然 次世代のGPT? アルトマンCEOも言及

» 2024年04月30日 18時00分 公開
[井上輝一ITmedia]

 生成AIブームの火付け役となった「ChatGPT」を提供する米OpenAIは、2023年3月に高性能な大規模言語モデル(LLM)「GPT-4」を提供して以来、次の高性能モデルについて沈黙を守り続けている。そんな中、LLMを比較できるWebサービス上にOpenAIのものらしき謎の高性能なLLMが現れた。同社のサム・アルトマンCEOも言及しており、OpenAIが関連している可能性も少なくなさそうだ。

LLMを実際に使って比較できるサービス「Chatbot Arena」に突如現れた「gpt2-chatbot」

 米カリフォルニア大学バークレー校の研究室が運営するプロジェクト「LMSYS Org」(The Large Model Systems Organization:大規模モデルシステム機関)で公開しているWebサービス「Chatbot Arena」の中に、「gpt2-chatbot」というモデルが突如現れ、4月29日深夜(日本時間、以下同様)から話題になり始めている。

 記事執筆時点の30日午後5時現在、このモデルを指定して実行しようとするとRate Limit(使用回数の制限)の表示が出てしまい利用できないが、実際に利用したユーザーからはGPT-4や、米Anthropicの高性能LLM「Claude3 Opus」に勝るとも劣らないというような感想も出ている。

 このモデルが何なのか、正式な提供予定があるのかなどは分かっていない。ただし、アルトマンCEOのX(旧Twitter)への書き込みが興味深い。「i do have a soft spot for gpt2」(gpt2にはすごく思い入れがあるんだ)と30日午前9時に投稿。しかもアルトマンCEOはXの有料機能で投稿を修正しており、修正前には「gpt2」の部分は「gpt-2」になっていたことが分かる。

アルトマンCEOの投稿の修正履歴を見ると、修正前には「gpt2」の部分は「gpt-2」になっている

 「gpt-2」であれば、GPT-4以前のモデルである「GPT-2」(2019年2月)を指していると考えられる。しかしそれに今言及する意味、そしてわざわざ「gpt2」とハイフンを消す修正を行った状況などから、「gpt2はGPT-2ではなくGPT(Generative Pretrained Transformer)自体の次世代アーキテクチャを指しているのでは」と指摘する声もある。

 一方で、gpt2-chatbotはLLM一覧の中ではGPT-4とGPT-3.5の間に位置しており、その中間的なスペックを持っているとも受け取れる。

 いずれにせよ、詳細はOpenAIの正式発表を待つほかなさそうだ。

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