グーグルは6月19日、東京大学の松尾・岩澤研究室(以下、松尾研)とパートナーシップを結び、2027年までに日本全国における地域課題の解決をサポートする生成AIモデルの実装とAI人材の育成を支援する取り組みを発表した。同日に行われた発表会では松尾豊教授が登壇し、AI人材育成の重要性を訴えた。
今回のパートナーシップでは、松尾研が主催している大規模言語モデル講座のコース修了生とGoogleのエンジニアが協力し、各都道府県の課題解決を支援する生成AIのモデルを構築。その実装を通じてAI人材育成に貢献するとしている。まずは大阪府と広島県から取り組みを始める。
高齢化社会や労働人口の減少といった社会課題に対し、グーグルは「AIを活用することで、労働人口が減少する中で一人ひとりの創造性や生産性を向上させること、産業構造の転換を図りながら企業の競争力を高めること、高齢化が進む中で人々の県境や社会参加を支えることが可能になると信じている」と説明した。
大阪府では雇用のミスマッチ問題の解消に向け、就業希望者に対しては本人が気づけていない職業適性やキャリアパスの提示、企業に対しては素材生成や希望者の適正判断などの面で採用活動を支援する。
松尾教授はAI人材育成の重要性について「日本を取り巻く状況は厳しく、デジタル人材が圧倒的に不足している。日本の社会のさまざまなところでAIの活用が進んでいない原因は人材がいないから」と話す。人材を育成する上では「講義をするだけでなく、実践的な場を作ることが重要」として、今回のグーグルとのパートナーシップの意義を説いた。
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