Metaの生成AI担当者が来日 Llamaが「オープンモデル」にこだわる理由を語る
「Llamaのミッションは全ての人にオープンインテリジェンスを届けること」――Metaで大規模言語モデル(LLM)の「Llama」を担当するマノアール・パルーリさんが来日し、報道陣にオープンモデルであるLlamaの狙いと展望について語った。
LlamaはMetaが開発するLLMで、2023年の2月に発表し、後継となる「Llama 2」からはソースコードを公開するオープンモデルになった。2024年7月に発表した「Llama 3.1」では、米OpenAIのLLM「GPT-4o」などクローズドなLLMに劣らない性能を持つと説明。9月に発表した最新版の「Llama 3.2」ではマルチモーダルに対応。オープンモデルでも画像などを扱えるようになった。
マノアールさんによると、Llamaの成長率は10倍を達成。ダウンロード数は4億回を超え、Llamaをベースに派生したモデルも6万5000個あるという。これにより、Llamaを活用して事業を手掛けるなど、Metaと連携してサービスを行うさまざまなパートナー企業とエコシステムを形成。幅広い展開を可能にしたという。
こうした成果を支えたのが、オープンモデルであるというLlamaの特徴だ。オープンモデルとして提供するということは、さまざまな企業が自社のユースケースにあわせてLLMをチューニングできることを意味する。同様のモデルは米GoogleのGemmaなども知られているが、Llamaは早くからオープンモデルを提供したことで国内でも多く採用例がある。
「Llamaを活用した成功事例は多くあり、テックカンパニーに限らず、医療や教育などの分野でも使われている。日本を含むアジア太平洋地域にも多くの事例がある」(マノアールさん)
Llamaでは今後、テキスト・画像以外の音声、ビデオといったモーダルへの対応などを目指すとしている。
「相互に利益が生まれるような関係を」――“オープンであること”の重要性
会見の後半では、Llamaを使ってAI事業を手掛ける日本企業とのディスカッションも実施。リコーのAIインテグレーションセンター長・梅津良昭さんと、AIスタートアップ・ELYZA(東京都文京区)の代表取締役・曽根岡侑也さんを交え、日本企業における生成AIの活用などについて語った。
まずはマノアールさんが、Llamaを具体的な活用法についてに質問した。リコーでは、製造業におけるQ&A作成などの支援で、ELYZAではコールセンター業務を効率化するサービスなどに利用しているという。
マノアールさんは、最新のLlama 3.2で対応したマルチモーダルや小型モデルについても質問。梅津さんと曽根岡さんによると、例えば製造業では、工場での現場業務など、テキストのみで完結するものは少ない。他にもエッジデバイスの使用率が高いことから、マルチモーダルや小型モデルの需要は大きいという。
ディスカッションの終盤では、Llamaの今後に関する話題に。曽根岡さんが「OpenAIやGoogleの開発するモデルと遜色ないものをオープンで提供してくれていることは大きい。利益を共有されるだけでなく、ちゃんとお返ししていきたい」と語ったことを受け、マノアールさんは「オープンであること」の重要性を語った。
「オープンであるということは、Metaという会社のビジョンであり、それを共有するコミュニティーの労力抜きには語れない。利益を受けるだけでなくお返しをするという姿勢が重要だ。そのような関係を続けていきたい」(マノアールさん)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia AI+に関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
よく見られているカテゴリー
アクセスランキング
-
1
「ChatGPTのコネクタでつながるし、M365 Copilotいらなくない?」→有識者3人に聞いてみた 知らないと損するコンテキスト管理「Work IQ」の仕組み
-
2
最新AI「Fable 5」でYouTube動画作ってみた 想像以上の出来に驚愕、ただし大きな弱点も
-
3
“AIが電力使いすぎ問題” 「電力不足」懸念で、発電能力より深いボトルネックとは
-
4
データセンター建設に足りないのは「発電」ではなく「送電」 AI需要で電力消費26%増、Gartner予想
-
5
「もはや宗教」のClaudeに焦るOpenAI 流出メモが暴いた覇権交代のリアル
-
6
「猫も杓子もAI」な現状は今後も続くのか?【後編】AI時代に必要な3つの検討事項
-
7
トヨタが抜かれる日――キオクシア首位奪取、2005年「時価総額トップ10」を振り返る
-
8
中国が人型ロボット開発競争をリードする「納得の理由」 日本に残された逆転シナリオは?
-
9
「日本がいないと成り立たない」世界へ、フィジカルAIが導く独自の交渉力
-
10
JASRAC、「AI作曲・人間作詞」の曲は管理します――「人間の創作的寄与の有無」で線引き
SpecialPR
ITmedia AI+ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmedia AI+をフォロー
あなたにおすすめの記事PR