まず画像生成系の機能から解説しよう。画像生成アプリの「Image Playground」は、新たに用意されたアプリだ。
画像生成といえばプロンプトからの生成を思い出すが、それだけでなく、写真に「夜空」「花火」などの要素をタップして組み合わせていくだけで、内容を組み合わせた画像ができる。
アプリとしては独立したもので、生成してからその画像をコピーして使う。
さらに応用例として「画像マジックワンド」という機能もある。基本的にはiPad向けの機能である。簡単に言えば「体裁を整える作業を後回しにしてまとめるもの」というところだろうか。
文書内に手描きでラフ画像を入れておき、出来上がったらApple Pencilから「画像マジックワンド」を呼び出す。描き直したい絵を囲むようにグルッと円を描くと、Apple Intelligenceが周囲の文章の内容とラフの絵を使い、画像を作り直す。
なお、画像マジックワンドはアプリ側が対応していないと使えない。現時点では対応アプリが少なく、メモ帳くらいからしか使えないのが難点だ。今後、Apple製のアプリを含め、対応アプリが増えることを期待したい。
画像系という意味では「ジェン文字」も面白い。メッセージを書いている最中で、その内容を踏まえた絵文字をプロンプトや写真から生成するものだ。基本的に文字として扱われるので、メッセージの中などに貼り付けられるところがステッカーなどとの違いになる。
次に「作文ツール」。
これは読んで字のごとく、文章を扱う機能で。文章の要約や校正をしてくれるものだ。
ただこちらはiPhone・iPad・Macの上で動く「ほとんどすべてのアプリ上の文字入力欄」で有効になる。だから、SNSの投稿欄でも使える。
呼び出し方は簡単。iPhoneやiPadの場合は文字入力欄で長押し、Macの場合には「編集」メニュー内、もしくは右クリックして出てくるメニュー内にある「作文ツール」を選ぶ。
文章を要約したり校正したりする場合には、対象になる文章を選び、作文ツールから使いたい機能を選ぶだけだ。Webを要約して読んだり、箇条書きにしてレポートに引用したりする時に便利だ。
文章の間違いを「校正」することもできる。こちらは現状、精度がイマイチであるように感じたので改善を期待したい。
「メール」アプリからは、メールの要約などにも使える。1本のメールを要約するだけでなく、そのメールが含まれるメールのスレッド(返信の連なり)もチェックし、「一連の会話がどんなものだったのか」をまとめてくれる。個人的にはお気に入りの機能だ。
また、文章を書くときに下書きをしてもらうこともできる。その場合にはChatGPTと連携して、チャットしながら文章を組み立てることも可能だ。
これができるのは、Apple IntelligenceはChatGPTとの連携が組み込まれているためでもある。
ただ、ChatGPTの利用時には情報がクラウドに送られるため許諾が必要になる。
またmacOSの場合には、システム側にアカウントを登録しておける。ChatGPTの有料プランを使っている場合には、そのアカウントを使えるようにもなっている。
なお現状はChatGPTとの連携のみだが、Appleは「今後開発が進めば、Geminiなど他の生成AIとの連携も進める」としている。この4月に公開されるバージョンではChatGPTから切り替えができないが、将来のアップデートでは可能になると考えられる。
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