米Googleは3月12日、オープンな大規模言語モデル(LLM)「Gemma 3」をリリースした。新しくマルチモーダルに対応。軽量かつ高性能をうたっており、スマートフォンやノートPCなどエッジデバイス上でも動作するという。
Gemma3は、同社の「Gemini」と同じ技術を活用したオープンなLLM「Gemma」シリーズの最新モデル。旧シリーズでは2サイズでの展開だったが、Gemma 3では10億パラメータをはじめ、40億、120億、270億と4種類のモデルサイズを用意。270億パラメータモデルでは、米OpenAIの「o3-mini」や中国DeepSeekの「v3」などを上回る性能をベンチマークで示したとしている。
また、Gemma 3では画像や動画もサポート(1Bモデルを除く)。140以上の言語を扱えるという。12万8000のコンテキストウィンドウを備えており、関数呼び出しや構造化出力にも対応。公式に「量子化版」(性能を維持しながら計算負荷を削減したバージョン)も提供するとしている。
Gemma 3は「Google AI Studio」で利用できるほか、KaggleやHugging Faceからダウンロードできる。主要なAI開発ツールとの互換性もあり、Hugging Face Transformers、Ollama、 JAX、Keras、PyTorch、Google AI Edge、UnSloth、vLLM、Gemma.cppに対応しているという。なおユーザーは「Gemma利用規約」のもと、Gemmaの使用、複製、配布などが可能。
Googleは今回のリリースにあわせ、出力する画像の安全性をチェックする「ShieldGemma 2」も公開。暴力や性的に露骨な表現などを検出でき、開発者は自身でカスタマイズした安全基準によって、コンテンツの管理ができるとしている。
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