米Microsoftは4月4日(現地時間)、創立50周年イベントで、AIアシスタント「Copilot」の多数の新機能を発表した。よりパーソナルなAI体験の提供を目指す。これらの新機能は、今後数週間から数カ月かけて初期バージョンが展開されていく。
「Memory」は、Copilotがユーザーの好みや生活に関する情報を記憶し、よりパーソナライズされた提案やリマインダーを提供する機能。セキュリティとプライバシーに配慮しており、ユーザーは記憶させる情報を管理したり、オプトアウトしたりできる。
「Actions」は、ユーザーの代わりにタスクを実行する機能。チャットプロンプトから、チケットやレストランの予約、ギフトの送信などをCopilotに依頼できる。米国では、1-800-Flowers.com、Booking.com、Expediaなどと提携した。
「Copilot Vision」はモバイルとWindowsで少し異なる機能を持つ。
モバイルでは、米GoogleのProject Astraのように、スマートフォンのカメラに映った世界を認識し、情報やアイデアを提供する。花の名前を表示したり、オフィスの装飾に関するアドバイスをしたりする。AndroidとiOSのCopilotアプリで利用可能になる見込み。
Windowsでは、新しいネイティブWindowsアプリを通じて、作業中の画面内容を認識し、アプリを切り替えることなく、検索、設定変更、ファイル整理などの操作を支援する。まずはWindows Insider向けに提供され、その後広範に展開される予定。
「Copilot Pages」は、昨年9月に発表済みのMicrosoft 365 Copilotの機能だ。OpenAIやGoogleが提供している「Canvas」と同様に、メモや調査結果をキャンバスにまとめ、Copilotで整理してドキュメントに変換する。
「Podcasts」は、Webサイトなどのソースを指定すると、その概要を2人のAIホスト間での対話にまとめる機能。Googleの「NotebookLM」にある「詳細な会話」(日本語には未対応)と同様に、会話に割り込んで質問できる。
サティア・ナデラCEOは同日、この機能を使っているとみられるCopilotによる歴代CEO(ビル・ゲイツ氏、スティーブ・バルマー氏、ナデラ筋)のインタビュー動画をXに投稿した。
価格比較やセール情報の提供、アプリ内での直接購入など、ユーザーの購買活動を支援する。
「Deep Research」は、Google、OpenAI、Perplexityが提供しているものと同様に、調査と分析を自律的に行うリサーチ・アシスタントだ。オンラインのソースやドキュメント、画像から情報を検索、分析、組み合わせ、より複雑なクエリに回答する。
「Copilot Search」は、Bing検索にCopilotを統合し、会話のようなクエリで、Web上のリアルタイムの情報を回答として得られるという。ソースにアクセスできるよう、明示される。
この機能は既にロシアと中国を除く全世界で利用可能になっている。
AI部門のムスタファ・スレイマンCEOは、「われわれは、Copilotをすべての人にとってのAIコンパニオンにするというビジョンのもと、次の章へと進んでいる。AIをよりパーソナルにすることで、さらに役立つものにしていく」と語った。
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