米OpenAIは2月3日、ChatGPTに調査エージェント機能「Deep Research」を追加したと発表した。搭載するのは、現在同社のフラグシップモデルであるo3をWebブラウジングとデータ分析に最適化したモデル。人間が数時間かけて調査する作業を数十分で完了できるとしている。まずは月額200ドルの「Pro」プランユーザー向けに同日から開放。続けて、「Plus」と「Team」のユーザーにも開放する。
金融や科学、政治、エンジニアリングなどの分野で徹底的かつ正確で信頼性の高いリサーチを必要とする人々のためにこの機能を構築したという。その他、自動車や家電といった購入に当たって慎重に考えるべきものの調査にも向いているとしている。
現在ChatGPTに搭載されている高度な推論モデルである「o1」はコーディングや数学などで性能を発揮する一方、Web検索には対応していない。Deep Researchはo1と同じ強化学習の手法を採用しつつ、WebブラウザとPythonのツールを使用するタスクでトレーニングしたモデルだ。
ベンチマークでは、o1が100点満点中9.1点となるような「Humanity's Last Exam」(人類最後の試験)で計測したところDeep Researchは26.6点という記録を達成した。OpeAIが最近発表した「o3-mini」が10〜13点、最近話題の「DeepSeek-R1」が9.4点と、トップモデルでも正答が難しいテストでほぼ倍の精度を達成した。
Deep ResearchはまずはChatGPT ProのWeb版で利用可能になる。2月中にモバイルアプリとデスクトップアプリにも展開予定。現在はWeb検索とアップしたファイル内の検索に対応するが、将来的にはより専門的なデータソースや内部リソースへアクセスを拡張し、出力もより堅牢的かつパーソナライズできるようになるという。
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