プロンプトエンジニアリングは死んだのか? “AIへの呪文不要論”がささやかれるワケ(3/4 ページ)
プロンプトエンジニアリングは無くならない? 反論意見も
こうした意見の一方、プロンプトエンジニアリングは今後も残るという声も出ている。
例えば、AI関連のジャーナリストであるピート・パチャルさんは、Linkedinへの投稿で「AIの高度化により、プロンプトエンジニアリングの重要性は逆に増している」と指摘。その理由として「最先端のAIは高度な推論能力を持っており、それを効果的に活用するには精密な指示が必要になる」ためと説明している。
彼は自身の経験として、ChatGPTのdeep research機能を使用したときの体験を紹介している。彼はどのような出力をさせるかを数分間かけて考え、適切な文脈を整理し、プロンプトを入力した。しかし情報の「最新性」が重要であると強調しなかったため、期待されるような結果が出なかった。その後、より新しいデータで結果を「強化」するようリクエストしたが、問題は解決せず、結局最初からやり直すことになったという。
こうした経験から彼は、推論を行うモデルでは「一度実行すると、後から『修正』するよりも『最初からやり直す』必要があることが多く、初期指示の精度が重要」と説明。また「AIはユーザーの心を読んで、意図を自動的に理解することはできないため、目的を明確に伝えるコミュニケーション技術としてのプロンプト設計が必須」と述べている。
法律業界向けのAI製品を開発しているカナダの企業LawDroidのトム・マーティンCEOは、前述のようなプロンプトの自動生成機能の実装が進む現状を踏まえた上で「それでもプロンプトエンジニアリングを学ぶことは、依然として価値のある取り組みだ」と主張している。その理由の一つが、微妙なニュアンスや創造性を理解するのは、まだAIには難しいという点だ。
プロンプトエンジニアリングは、正確な入力を作成するだけのものではなく、人間のコミュニケーションにおける機微をAIに理解させることが含まれる。AIモデルがどれほど高度化しようと、相互作用を最適化する際に人間の感覚が重要になると主張している。
他にも、英国のITサービス企業SCCは、同社のブログにおいて、生成AIが普及して皆が使うツールになったからこそ、プロンプトエンジニアリングが多くの人々に関係するスキルになったと述べている。
また近い将来、AIと人間がさらに緊密に連携するようになることから「AIがビジネス目標と整合し、価値ある成果を生み出す」よう、スキルとしてのプロンプトエンジニアリングがあらゆる部門の人材に求められるようになると予測している。
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