ChatGPTを運営する米OpenAIが、必要な計算能力の増加に対応するため、米Alphabet傘下Googleのクラウドサービスを活用する計画だと、関係者3人がロイターに明らかにした。
関係者1人によると、この計画は数カ月間協議され、5月に最終合意に至ったという。ChatGPTがGoogleの検索事業にとって大きな脅威となる中、同じGoogleのクラウド部門が、AIモデルの学習や処理をするための計算能力をOpenAIに提供することになる。
AIモデルに必要な膨大な計算能力に対処することが急務となっており、こうした必要性がAI分野での競争関係の再編を促していることが浮き彫りになった。OpenAIにとって、Googleとの連携は、Microsoftの計算能力への依存を減らし、多様化する動きの一つだ。
2022年後半にChatGPTが登場して以来、OpenAIは大規模言語モデルの学習や推論処理に必要な計算能力の急増に対処してきた。そうした中、Microsoftのクラウドサービス「Azure」は、25年1月までOpenAIの独占的なデータセンターインフラだったものの、両社は契約条項について見直し中という。
Googleは自社開発の半導体「テンサー・プロセッシング・ユニット」の外部提供を拡大している。
OpenAIは25年、AIインフラを構築する5000億ドル規模の「スターゲート・プロジェクト」でソフトバンクグループや米Oracleとの提携を発表した。また、ロイターは2月に、OpenAIが外部依存を減らすために進めているAI向け半導体の内製化の設計が順調に進んでいると報じていた。
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