OpenAI、「study mode」（あらゆる学びをサポート）機能の提供開始

[ITmedia]

　米OpenAIは7月29日（現地時間）、ChatGPTに新たな学習体験をもたらす機能「study mode」（以下、「学習モード」）を追加したと発表した。ユーザーが問題の答えを単に得るのではなく、段階的なガイダンスを通じて深く理解することを目的としている。

　現在、Free、Plus、Pro、Teamプランのログインユーザーが利用可能になっており、数週間以内にChatGPT Eduにも提供する予定だ。

初めてstudy modeを選択した際に表示される告知画面

　利用するには、プロンプト内のツール選択ボタンで（日本語の場合は）「あらゆる学びをサポート」を選択する。以後、ステータスとして「勉強する」と表示されるようになる。

「あらゆる学びをサポート」を選択

　学習モードの状態で質問を入力すると、答えが直接提供されるのではなく、ソクラテス式問答法、ヒント、自己反省の促しを組み合わせ、ユーザーの理解を導き、能動的な学習を促進する対応が始まる。段階的な説明で、複雑な内容でも適切な量の文脈で情報が提供される。

　また、メモリをオンにしている場合は、ユーザーのスキルレベルや過去の会話の記憶に基づいて、レッスンの難易度が調整される。

　公式ブログには、学習モードのテストに参加した学生とChatGPTの会話例が紹介されている。

　学習モードは、教師、科学者、教育学の専門家と共同で作成されたカスタムシステム指示によって支えられており、能動的な参加の奨励、認知負荷の管理、メタ認知と自己反省の促進、好奇心の育成、実行可能で支持的なフィードバックの提供といった、深い学習を支援する行動の核となるセットを反映しているとOpenAIは説明する。

　この機能は、特に大学生のニーズを念頭に開発した。初期のテストに参加した学生からは「分かりやすく、ペースの良い説明で、内容の濃い素材をうまく分解してくれた」「何回も挫折した概念を、まるで辛抱強い家庭教師のように教えてくれた」 といった肯定的なフィードバックが寄せられたという。

　OpenAIは学習モードをさらに発展させ、より魅力的な視覚化、目標設定、進捗追跡、各学生のスキルレベルと目標に合わせたより深いパーソナライズ機能の探求を進めているとしている。