米Anthropicは4月2日(現地時間)、高等教育機関向けに特化したAIチャットbot「Claude for Education」を発表した。大学が教育、学習、管理全体にわたるAIを活用したアプローチを開発、実装できるようにすることを目的としている。
競合する米OpenAIは昨年5月に同様の「ChatGPT Edu」を発表している。
学生は、Claude for Educationで、適切な引用を用いて文献レビューを作成したり、段階的なガイダンスを受けながら微積分問題に取り組んだり、最終提出前に論文のステートメントに関するフィードバックを得たりすることができる。
Claude for Educationの特徴の1つは「Learning」モードだ。このモードでは、「この問題にどのように取り組みますか?」と質問されたり、「あなたの結論を裏付ける証拠は何ですか?」といった質問を通じて理解を深めたり、特定の問題の背後にある基本的な原則が強調表示されたり、研究論文、学習ガイド、アウトラインなどの構造化されたテンプレートが提供されたりする。これにより、学生の批判的思考力や自律的な問題解決能力を養うことが目的という。
教員向けの機能では、特定の学習成果に合わせた評価基準(ルーブリック)を作成したり、学生の論文に効率的に個別化されたフィードバックを提供したり、さまざまな難易度の化学方程式を生成したりすることができる。
事務スタッフ向け機能では、部門全体の登録傾向を分析したり、よくある問い合わせへの反復的な電子メール応答を自動化したり、高密度のポリシー文書をアクセスしやすいFAQ形式に変換したりすることができる。
これらはすべてエンタープライズグレードのセキュリティとプライバシー管理を備えたチャットインタフェースで行える。
すでに、米ノースイースタン大学、英LSE、米シャンプレイン大学との間で、キャンパス全体でのアクセス契約を締結済みだ。特に、ノースイースタン大学はAnthropicの設計パートナーとして協力し、AI統合のベストプラクティスやAIを活用した教育ツールの開発を進めている。
大学との契約とは別に、学生向けのプログラムも発表された。「Claude Campus Ambassadors」は、学生がAnthropicチームと直接協力して、自分のキャンパスで教育イニシアチブを開始するプログラム。また、「For student builders」プログラムで、Claudeユーザーの学生が、APIクレジットの形で資金援助を申請する機会も提供する。
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