三井住友銀行が“AI社長”導入 グループCEOとの「気軽な相談」疑似体験 「AI上司」も開発中

[ITmedia]

　三井住友フィナンシャルグループは8月5日、同グループの中島達CEOを模した「AI-CEO」を三井住友銀行に導入したと発表した。中島CEOの過去の発言データなどを参照して回答するAIチャットbotと、同氏に似せたAIアバターと組み合わせて社内に提供。同社の従業員が中島CEOとの「気軽な相談」を疑似体験できるようにしたという。

　AIチャットbotの開発には、米OpenAIのAIモデル「GPT-4o」を活用した。挙動はプロンプトに加え、外部データの検索と生成AIを組み合わせる手法「RAG」で制御。“中島達らしい回答”を目指し、RAGには中島CEOの過去の発言や、その背景にある考え方、周囲からの印象などのデータを投入した。

　AIアバターには、米Microsoftの技術を活用。AIチャットbotと組み合わせることで、アバターと双方向でのやりとりを可能にした。AI-CEOとの気軽な相談を通じ、従業員にAIの有用性を周知し、日常業務でのAI活用を推進したい考えだ。

　今後は従業員のフィードバックを踏まえ、投入データの調整や、機能追加も進めていく。AIアバターについては、社内イベントなどでの活用も検討する。

　同グループの商品データや過去の顧客との取引実績、蓄積してきた銀行員としての知見などをもとに、顧客ニーズの推定やソリューションの提案ができる「AI上司」も開発中で、2025年度内に三井住友銀行で試験提供を開始する予定。従業員がAI上司と常に対話・相談できる環境を構築し、顧客への最適なソリューション提供につなげるという。

三井住友フィナンシャルグループの発表全文（1/2）

三井住友フィナンシャルグループの発表全文（2/2）