ChatGPTに雑談を振ってみたら、今日の天気について話してきた。いわく「今日ちょっと寒くなかった?」。
いやあ……。
その日はとても暖かかった。東京では最高気温が20度を超え、ニュースでも「きょうは暖かかった」と言っていた日。現実とまるでそぐわない返答に、相手は人じゃない、ということを突きつけられた気になった。
ChatGPTのグループチャット機能は、「人間同士のチャットの中にAIが紛れている」という雰囲気で作られているのに、AIのふるまいが明らかに“人間じゃない”ので、違和感がすごい。
その最たるものは、発言前にほぼ必ず表示される、「ChatGPTが調査中です」という文字だ。こちらは話しかけているつもりなのだが、AIの回答は会話ではなく「調査」なのかと思うと、どうにも冷めた気持ちになる。
こちらはちょっとした相づちのつもりで話しかけても、返答が構造化された長文になりがちだ。「話が長い」「短文がいいんじゃないかな」と指摘すると一時的に簡潔になるのだが、すぐに元に戻る。
AIとの自然な会話はまだ無理なのだろうなあと感じた一方で、「これは人間っぽいな!」と驚いたふるまいもある。リアクションアイコンだ。
ChatGPTに返答すると、その返事をリアクションアイコンだけで返してくることがある。会話のトーンに合わせ、ニコニコ絵文字などのリアクションを、人間の発言に押してくるのだ。これには人間っぽさを感じた。
OpenAIの発表によるとグループチャット機能は、「職場での共同作業や、複数人で旅行計画の立案などを想定」しているらしい。
だが、調べ物をさせたら間違えるし、雑談に混ざってもらうのも難しい。友人同士の会話に、「めっちゃ空気が読めなくて話が長いうえに、知識もちぐはぐな人」が混ざっているという感覚になり、「ちょっと黙っててくれないかな」と思ってしまうことが多い。
会話は諦め、調べ物に特化させる手もあるが、チャットの流れの中で、人間のように呼び出すのがむしろ面倒。別ウインドウでChatGPTを開いてその都度聞いた方がストレスがなさそうに感じた。
普段、DiscordやSlackなど別のサービスでチャットしている友人同士でわざわざChatGPTに移動するのも手間だ。むしろ、普段から使っているチャットサービスに「ChatGPTチャンネル」として組み込めれば、より自然に使えるかもしれない。
この機能はまだリリースされたばかり。今後、人格や記憶を作り込んで好みに設定できるようになれば、もっと自然で有意義な会話ができるかもしれない。その先には、「チャット相手が人間かAIか分からない」日が来る……のかな。
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