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Linux Foundation、エージェント型AIの標準化団体「AAIF」を設立 OpenAIやAnthropicなどが参加

» 2025年12月10日 06時40分 公開
[ITmedia]

 Linux推進団体のLinux Foundationは12月9日(現地時間)、エージェント型AI(agentic AI)のための新たな業界団体「Agentic AI Foundation」(AAIF)を設立したと発表した。米Anthropicの「Model Context Protocol」(MCP)、米Blockの「goose」、米OpenAIの「AGENTS.md」という3つのプロジェクトを中核に、オープンな標準と実装を共同で育成する場と位置付ける。

 aaif (画像:Linux Foundation)

 AAIFは、複数のAIエージェントが自律的に意思決定し連携する「agentic AI」の基盤技術を、透明性の高い形で進化させることを目的とした非営利のオープン財団。Linux Foundationの中立的なガバナンスの下で、標準プロトコルやフレームワークを公開し、ベンダーロックインを避けつつ、業界全体で再利用できるインフラを整備する役割を担うとしている。

 設立にあたり、AnthropicはAIモデルと外部のツール、データ、アプリケーションを接続するプロトコルであるMCPを、BlockはローカルファーストなAIエージェントフレームワークのgooseを、OpenAIはコードエージェント向けのプロジェクト固有ガイドラインの記述ルールAGENTS.mdを、それぞれAAIFに寄贈した。これらはいずれも既に開発者コミュニティで広く利用されている。例えばMCPは、Claude、Microsoft Copilot、Gemini、ChatGPTなどでも採用されている。

 aaif 2 3つのプロジェクト(画像:AAIFのWebサイトより)

 AAIFには、米AmazonのAmazon Web Services(AWS)、Anthropic、Block、米Bloomberg、米Cloudflare、米Google、米Microsoft、OpenAIなどがプラチナメンバーとして参加し、米Cisco、米IBM、米Salesforce、独SAP、米Snowflakeなど多数の企業がゴールドおよびシルバーメンバーとして加わる。これにより、AAIFはMCPやgoose、AGENTS.mdといった仕様やソフトウェアを、中立な標準として維持・発展させるための業界横断的な意思決定の場と権限を持つことになるとしている。なお、本稿執筆現在、米Appleと米Metaは参加していない。(メンバー一覧はこちら

 aaif 3 プラチナメンバー(画像:AAIFのWebサイトより)

 今後の活動としては、3プロジェクトを核にしたツールや標準仕様の拡充に加え、コミュニティ主導のイノベーションの促進が掲げられている。具体的には、AAIFメンバーである米Obot.aiが開催してきた開発者会議「MCP Dev Summit」をAAIFの活動に統合し、2026年4月にニューヨークで開く開発者会議などを通じて、仕様策定や実装、ベストプラクティスの共有を進めるとしている。Linux Foundationは、AAIFを通じてエージェント型AIのインフラをオープンかつ信頼できる形で整備し、今後のAIエコシステムの共通土台とする考えだ。

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