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「ブログでNetscape復活」ははかない夢だ(2/2 ページ)

» 2006年03月23日 08時37分 公開
[John Pallatto,eWEEK]
eWEEK
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 両氏はセッションの中で、ブロードバンドインターネットサービスの普及により、音声・ビデオ放送技術を使ったより高度なアプリケーションとコンテンツへのアクセスがいかにしてWebユーザーにもたらされたかを語った。

 この見解を裏付ける大きな証拠の1つが、チャリティーコンサート「Live 8」の世界的なWeb放送だ。カラカニス氏とバンクオフ氏は、Live 8を受けて幅広いエンターテイメントや情報プログラムのWeb放送が増え、従来の放送チャンネルと視聴者の注目を奪い合うようになるだろうと主張している。

 カラカニス氏は、さまざまな話題に関する知識と情熱を持つユーザーに意見を披露する場を与えるブログの力にフォーカスした。

 プレゼンテーション後の取材の中で、カラカニス氏は、ブログを通して「市民ジャーナリズムはプロのジャーナリストとともに、AOLでトップレベルに置かれる」と話した。

 実際、プロのジャーナリストが必ずしも最高のブロガーになるわけではなく、ほとんどのブロガーにとって従来のジャーナリズムの規律に転換するのが難しいのは経験から証明済みだと同氏は主張する。

 何かの話題に熱心になることが人々をブログ執筆に駆り立てる要因であり、そうでなければわざわざブログを書いたりはしないと同氏は指摘する。フリーランスあるいはフルタイムのブロガーとして登録しているブロガーのほとんどは、暇なときに無料で同じ話題について書いている。

 カラカニス氏は、増えつつあるブログコンテンツはAOLにシンジケート配信され、リンクされると語る。しかし、同氏は自身あるいは同氏の会社がNetscapeにブログを実装する役目を与えられたかどうかについては公の場では決して口にしなかった。

 これら企業はすべて同じ企業ファミリーに属しているため、カラカニス氏がNetscapeのブログ責任者に任命されようとされまいと、AOLとNetscapeがブログコンテンツへのリンクを好きなときにアレンジできることは明白だ。

 興味深く熱心なブログが新たに加われば、幾らかのNetscapeユーザーとAOLユーザーに歓迎されることは確かだが、それでどうやってNetscapeがWebの強豪としてよみがえるのかは分からない。

 NetscapeをWebユーザーが立ち寄る魅力的で有用な場所にするものは、何であれ良い策だ。このWebの草分けをゲームから脱落させないために何でもやっていることについては、AOLに点をあげなければならない。

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