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FlashもUSBもないiPad――Apple製品じゃなかったら売れない(2/2 ページ)

» 2010年01月29日 16時48分 公開
[Don Reisinger,eWEEK]
eWEEK
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5. 派手な発表会はいらなかった?

 iPadは優れた製品かもしれないが、大々的な発表会をするほどではなかった。とは言え、ニュースリリースを送って済ませるのはAppleのビジネスのやり方ではない。ジョブズ氏は必ず、Appleのどんな製品でも実際よりもずっと重要に見せてきた。例えば、iPadと市場に出回っているほかのタブレットをちょっと比べてみると、面白い事実が見えてくる。iPadは競合製品よりもはるかに優れているというほどではないということだ。iPadには華々しい発表会は必要なかった。ほかの企業がこの製品を発表していたなら、あまり多くの人が気付かない、ありきたりなニュース記事になっていただろう。

6. マルチタスクはどこに

 残念ながら、iPadはマルチタスクをサポートしていない。ユーザーが文書とWebを切り替えながら事実を確認したくても、できないのだ。今使っているアプリを閉じないと、ほかのアプリを開くことができないからだ。ほかのデバイスだったら、マルチタスクがなければ店頭で売れ残ってしまうだろう。iPadなら、マルチタスクでなくても売れるだろう。

7. Flashがないなんて

 iPadはFlashをサポートしていない。つまり、Web中のいろいろなサイトを閲覧しているユーザーは、明らかにノートPCよりも劣った体験を味わうことになるだろう。多くの人にとっては買う気をなくさせる要素だ。だがiPadはAppleの製品なので、はるかに多くの人がそれを作った会社に引きつけられるはずだ――重要な機能がなく、Web閲覧が大幅に制限されるということを知らずに。Appleなら、Flashサポートなしでもやり過ごせる。ほかの会社にはできないことだ。

8. 中途半端なデバイス

 ジョブズ氏が講演中に指摘したように、iPadは「中間」のデバイスだ。iPhoneほどには便利ではないが、ノートPCほどの性能はない。ジョブズ氏は、そういった点がiPadにプラスになると信じている。自宅でiPadを使いたい人にとっては、基本的な作業ができて持ち歩けるお供になるからだ。だが実際は、そのようなデバイスを本当に欲しいという人はどのくらいいるだろう? Appleの製品だから、欲しいと思うかもしれない。ほかの企業がこの製品を提供していたら、たぶんそうは思わないだろう。

9. USBもない

 iPadをできるだけかっこよくするために、AppleはUSBポートもSDカードスロットも付けなかった。これは問題だ。iPadを「簡単な作業に使われているほかのデバイスに代わるもの」と想定しているのなら、SDカードの写真を取り込んだり、ファイルをUSBメモリに移したりできるようにするべきだ。Appleは、そうした用途向けにアダプタを提供するとしているが、いつものように、有料となる。USBポートがないのは大きな問題で、ジョブズ氏は講演でこの点をもっともらしく言いつくろっていた。ほかの会社の製品なら、USBがなければポンコツ扱いされるだろう。

10. デザインも……

 Apple製品の特徴と言えばデザインだ。同社の製品はたいてい、どの競合製品よりもずっと美しい。だがiPadは違う。ベゼルが大きいので、ディスプレイが実際よりも小さく見える。最悪なことに、競合製品とちょっと比べてみると、実際は一部の製品(特にHPのSlate)は、iPadよりかっこいいとまではいかないが、いい勝負であることが分かる。HPにとっては残念なことに、それを知っている人はほとんどいない。

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