連載
» 2007年06月22日 16時00分 公開

第3回 スムーズなコミュニケーションのポイント(3〜5)良いコミュニケーションを取るために

良いコミュニケーションを取るためには、「どんな状態であれば、良いコミュニケーションが取れている」と言えるのか知るところから始めましょう。

[平本相武(構成:房野麻子),ITmedia]
平本メソッド 良いコミュニケーション
  連載タイトル
  第1回 “やる気”って一体なんだ?
  第2回 コミュニケーションがスムーズなとき
  第3回 スムーズなコミュニケーションのポイント(3〜5)
  第4回 コミュニケーションの5つのチェックポイント(前)
  第5回 コミュニケーションの5つのチェックポイント(後編)
  第6回 「あなたメッセージ」よりも「わたしメッセージ」
  第7回 「事実」よりも「意見」を言う

 前回、「良いコミュニケーションが取れているときの特徴」について、(1)相互尊敬、(2)相互信頼を紹介しました。今回は、(3)協力、(4)共感、(5)目標が一致している について解説します。

(3)協力

 良いコミュニケーションが取れているときは、相手と力を合わせて全体の利益を上げることができます。相手を蹴落として自分だけ得をする、という競争はありません。もちろん、いい意味でライバル心があってもいいのですが、それは蹴落とすためではなくて、お互いに向上するためです。

 例えば、社内の営業部1課、2課、3課が、同じ地域を巡って競争しだしたとしたら、どうなるでしょう。会社としてはすごい不利益です。営業1課がお客さんを訪ねて資料を渡して、2課と3課も行って同じような人に同じような資料を渡したとなると、お客さんは「あんたたちは何をしているんだ? 隣の課で違う値段を設定して取り合いをしているじゃないか」と不思議に思うでしょう。そうすると「あの会社自体信じられない」ということになりかねません。

 社内で同じお客さんに対応するなら、情報を共有し合うことが大切です。もちろん、社内で統一した見解を持つことも大事ですが、情報を共有することで協力し合うことができます。「あそこのお客さん、こんなこと言っていたよ」と情報を提供することで、聞いた課はスムーズに仕事ができて得をします。ウチの課はどうするんだ、と思うかもしれませんが、そうしていると、今度は別のことでその課が情報を提供してくれるはずです。このように同じ社内で協力し合うことが大事です。

 現在は同業他社で協力し合うケースも少なくありません。協力するほうが成果が上がる場合も多いのです。いずれにしろ、良いコミュニケーションが取れているときは、なんらかの形で必ず協力し合っているものです。

(4)共感

 良いコミュニケーションが取れているときは、自分の損得に関係なく、相手の立場に立つことができます。

 例えば、ベテランの上司が新米の部下に対して、「こんなのできて当たり前だよ」と言っているようでは、相手の立場に立っているとはいえません。「オレもさ、入社して半年くらいのときはそうだったよ」と一度相手の立場に立ち、「大変なのは分かるよ。でもさ、やってみようよ」といって勇気付けるのと、「もう半年も経っているんだから、これぐらいやれよ」というのとでは全然違います。

 良いコミュニケーションが取れているときは、必ず相手の立場に立っています。これは、好かれたい、気に入られたい、あるいは自分が相手よりも上の立場に立ちたい、という気持ちからではありません。同情とは違います。

 お客さんに対しても同様に、媚びるわけではなく、対等な立場で共感するのが大事です。「そうですね、今、大変な時期ですよね」と一度共感する。そして「大変だとは思いますが、できれば、ぜひウチの商品をお願いします」というようにします。この方が「なんとか買ってくださいよ!」と押し付けるよりも、良い成果として現れるはずです。

(5)目標が一致している

 良いコミュニケーションが取れているときは、これが何のためのコミュニケーションなのか、という目的が一致しています。例えば会議ひとつとってみても、この会議はブレインストーミングの会議なのか、結論を出す会議なのか、会議の目的が全員で一致していないと話がうまく進まず、効果的なミーティングにはなりません。何のためのコミュニケーションか、ということが分かっていないとダメです。

 例えば、「UNO」というカードゲームがありますね。カードを1枚ずつ出していって、早くなくなったら勝ちです。カードの種類には「ドロー4」などといった、相手を妨害するカードもあります。私も昔、このゲームをやりました。「ほら! お前にドロー4だ!」とやっていると、だんだんこのゲームに勝つという目的から外れて、「こいつに余計なカードを取らせる」というのが目的になってきてしまいました。ゲームの目的が勝つことではなく、どうやってそいつにカードをたくさん取らせて負けさせるか、ということになる。これだと非常に不愉快なゲームになってしまいます。なので、それ以来、私はUNOをやっていません(笑)。

 実はビジネスも一緒で、自分の会社の業績を上げることが目的になればいいのに、ライバルのあいつを蹴落とすことが目的になってしまうことがあります。すると、あのライバルは蹴落としたけれど、自分も沈んでしまった、ということになりかねません。あくまでも、ウチの会社の目的は何だろう? と考えるべきです。ここまでシェアを上げようとか、これだけの規模にしようという目標が一致していないと、それぞれの社員が違う動きになってしまいます。

 次回は、スムーズなコミュニケーションを実現するための態度や姿勢を解説します。

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ピークパフォーマンス 代表取締役

平本相武(ひらもと あきお)

 1965年神戸生まれ。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了(専門は臨床心理)。アドラースクール・オブ・プロフェッショナルサイコロジー(シカゴ/米国)カウンセリング心理学修士課程修了。人の中に眠っている潜在能力を短時間で最大限に引き出す独自の方法論を平本メソッドとして体系化。人生を大きく変えるインパクトを持つとして、アスリート、アーチスト、エグゼクティブ、ビジネスパーソン、学生など幅広い層から圧倒的な支持を集めている。最新著書は「成功するのに目標はいらない!」。コミュニケーションやピークパフォーマンスに関するセミナーはこちらから。


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