第4回 部下の業績はコントロールできるか?今さら聞けないマネジメント&コーチングの基本(4/4 ページ)

» 2008年03月24日 12時44分 公開
[平本相武(構成:房野麻子),ITmedia]
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ITmedia マネジメントで「違うだろ!」と思う場面は意外と多いですが、一番つまずくポイントはどこでしょう。コーチングのことを理解してやっているのに、途中でやらなくなっちゃった、できなかったという人も多いと思うんですが。


 ポイントはやっぱり姿勢ですね。「自分が正しい」と思っていて、「ほんと、この人は大丈夫かよ」とか「この人の答えはダメだな」と、部下に好奇心を持てない姿勢で失敗している場合が多いです。

 確かにそこは一番迷う部分です。「そんなやり方でやっていいのか」「1週間も2週間も、みすみす違うと思う方法でこの人にやらせちゃっていいのかな」というのは、すごく怖いですよね。もちろん、緊急時はやらないでくださいね。長い目で見て任せたいものの場合にしてほしいんですが、それでもやっぱり不安になります。また、できない部下に自分で考えさせるので、成果が出るのに最初に妙に時間がかかったり、業績が落ちたりします。

 上司にとってもいいのは、まず、できる部下にコーチングをして結果を出して、上司が自分で成功体験を積むことです。だんだんと結果を出して、「この人はできるようになった。これはあの人にも使えるかもしれない」というやり方がいいかもしれません。

 また、コーチングだけに徹しなくてもいいんです。とりあえず、最初はコーチングをやってみて、途中でちょっと怪しくなってきたなと思ったら、私メッセージに切り替えればいいんです。自分の意見をすべて私メッセージにしておくと無難です。

ITmedia 説得しようとはせずに、ですね。


 そうです。コーチングは味を占めると止められませんよ。何より部下が生き生きしてきます。できる部下はもっとできるようになるし、できない部下も自分で考えるようになりますから、上司にとって、こんなに楽なことはないです。業績は上がるし、時間にしても指示型よりかかりません。味を占めるまではちょっと大変ですが。

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ピークパフォーマンス 代表取締役

平本相武(ひらもと あきお)

 1965年神戸生まれ。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了(専門は臨床心理)。アドラースクール・オブ・プロフェッショナルサイコロジー(シカゴ/米国)カウンセリング心理学修士課程修了。人の中に眠っている潜在能力を短時間で最大限に引き出す独自の方法論を平本メソッドとして体系化。人生を大きく変えるインパクトを持つとして、アスリート、アーチスト、エグゼクティブ、ビジネスパーソン、学生など幅広い層から圧倒的な支持を集めている。最新著書は「成功するのに目標はいらない!」。コミュニケーションやピークパフォーマンスに関するセミナーはこちらから。


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