「たぐる」には2つの種類があると思います。
その両方があると思います。(2)ばかりだとつらいので、日頃の(1)が大切です。いつどんなお題が降ってくるか分かりません。そのときから慌ててネタを仕込みます、では間に合いません。日頃の蓄積がいざというときに頼りになります。プロのアスリートが毎日の練習を欠かさないように。普段いろいろ「たぐる」をしておくことで、あなたの記憶はいつの間にか網になる。それこそがアイデアの源泉です。急がば回れ、です。
「たぐる」方向は内側、外側、どちらが大事ですか?
両方です。というのは内外で「たぐる」対象が違うからです。内側=自分の記憶にすでにある「既存の要素」(I know)にたどり着くことが目標ですし、外側=自分がいまだ知らない「既存の要素」(I don't know)を取り込むための「たぐる」ですから。4つの小技のレベルでは、内側=「思い出す」「ほる」、外側=「ぶつかる」「押さえる」と大まかには分けられるでしょう。ただし「ほる」は内でも外でもありますね。
「たぐる」のイメージはつかめたのですが、「たぐる」タイミングが分かりません。24時間「たぐる」をすればよいですか? 必要に応じて「たぐる」をすればよいですか?
スポーツと一緒です。はじめは意識的に。あるいは強制的に。なれてきたら自然にやっているようになります。ただ、「たぐる」が最終目的ではありません。アイデアを出すための素材入手方法が「たぐる」です。最初は「たぐる」だけでいいと思いますが、手段が目的化しないように。
基本は複合技です。というか「押さえる」なのか「ほる」なのか、はたまた「思い出す」なのかこんがらがっても来ます。よって最終的に意識せずにカラダが動く境地を目指せ、なんて話になってしまいそうですが、過程としては部分的にやってみることも必要でしょうね。スポーツの練習でも身体の一部分を動かせないようにしてみる「拘束練習」などのメソッドがあります。順序は……特にないと思います。
それでいいんじゃないですか。そのまま「たぐる」してください。
メモはよく取るのですが、整理できずにいて活用することができません。どうしたらよいでしょうか?
忘れてしまったのなら、そのときにはご縁がなかったんだね、と個人的には考えています(正しいとは思っていません)。上手にデジタル化できているのなら、「ついで検索」などの技で改めての再発見ができるとさらにアイデアがふくらむ可能性がありますね……と気がついたら検索術を「たぐる」してみてください。
こんなときにカラダが動くことの重要性を感じます。携帯電話で文章を「書く」ことに慣れている=カラダが動きますから、メモをデジタル化することにストレスがないですよね。これは実際に繰り返しやらないとできないです。会社に入った直後、まったくキーボードが使えなくて終業後にポチポチやって練習していたことを「思い出す」しました。
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