映像の場合も講演会場を過信してはならないのは全く同じ。プロジェクタケーブルは、プロジェクタのセットに最初から付属しているコードしかないことが多く、特に主催者が会場に持ち込む場合、その長さがせいぜい2〜5メートルというのが普通だ。これで演台に届く場合はいいが、届かなかったら悲劇である。いちいちページを進めるのに人の手を借りてたんじゃ自分のペースで進行できない。
そんなことにならないよう、私は常に10メートルのモニターケーブルを持参することにしている。さらに、会場によってはほかの演者が別の機器を持ち込んでいて、プロジェクタを共有することも多い。そんな場合も、会の途中で抜き差しするのはスマートではないので、切り替え器と、予備のケーブルも持参することにしている。これなら、その場でスイッチを切り替えるだけで使い分けることが可能である。
本当は、プロジェクタとスクリーンも自前で用意したいところだが、こればっかりは会場の条件に左右されるし、まともなプロジェクタを購入しようと思うと、20万円以上の覚悟が必要。重量もあるし、スクリーンとセットとなると、もはや1人で電車や飛行機で出張というわけには行かなくなる。最近はかなり小型のプロジェクタも見られるようになってきてはいるが、まだまだ実用にはほど遠いのが残念だ。
これは、文具の実演を行う私特有のセットである。実演で人に見せる文房具が入っている。実演で紹介する文房具はある程度重複するわけだから、いちいち新品を使用するのはもったいない。だから実演で使用する文具は可能な限り現物を用意しておく。
また、実際に試用する場合に必ず必要なコピー用紙(白、カラー)や、ステープラーの針、替芯、それから電池などの消耗品なども充分に用意しておく。また、実際に書き込んだノートや、ルーペを見せる際のための新聞紙など、説得力のある小道具も必ず用意。そうした雑多なものがひとまとめになっている。皆さんはご自身の仕事でよく使うセットがあるようなら参考にしてみていただきたい。
なお、次回以降はスーツ、着替え、身支度、展示会設営キット、展示会実演キット、倉庫作業キットの各ユニットについて紹介しよう。
1974年、香川県生まれ。図画工作と理科が得意な小学生を20年続けて今に至る。TVチャンピオン「全国文房具通選手権」で3連覇中の文具王。現在は文具メーカーに勤務、文房具の企画開発を行っている。2006年「究極の文房具カタログ」上梓。文具サイト「TOWER-STATIONERY」を主催。
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