「プロジェクトの同時進行で頭がごちゃごちゃ」を解決するのだシゴトハッカーズ

複数のプロジェクトが同時進行しているときのタスク管理って難しいものですよね。今回は、「プロジェクトごとのまとまり」を感じながら1つ1つのタスクを片付けるのにぴったりのツールを考えてみます。

» 2009年04月16日 15時13分 公開
[大橋悦夫、佐々木正悟,Business Media 誠]

 大橋さん、佐々木さん、複数のプロジェクトが同時進行しているときのタスク管理で、何かいいやり方はないでしょうか。タスクシートにすべてのタスクを脈絡なく登録していくと、タスクの数が多くなりすぎて、各タスクがどのプロジェクトにひもづいているか把握しにくいのですが……。

 そうですね。例えば、タスクの内容が「A4用の封筒を買う」といった単独で完結するタスクばかりであれば、タスクシート1本で管理するのが理想です。しかし、プレゼンの企画から資料集め、資料の整理、PowerPointでスライド作成といった一連の流れがあるタスクの場合は、「資料の整理」だけタスクシートに記入していても、そのタスクにどう取り組むべきなのか流れが見えにくくなることがあります。

 また、タスクシートのタスクが、

 といった感じに時系列で並んで、脈絡なく次々にやっていくことがスイッチしてしまうと、取りかかるのに苦労することになります。従って、タスクシートのほかに、個々のタスクの位置づけを把握するためのツールを1つ用意しておいた方がいいでしょう。

 私は今、このためにMac向けの「Omni Focus」(参考リンク)というツールを利用しています。

 このツールは、もともとこれ1本でタスク管理するために作られているツールですので、タスクをプロジェクトごとに階層化してまとめたり、1つ1つのタスクを処理する場所で抽出したり、期限別に分類したりと、タスク管理と言ったときに思いつくような機能のほとんどが実装されています。

 タスクシートとOmniFocusの使い分けはどうされているのでしょうか? それぞれに同じタスクを1つずつ登録しているのですか?

 基本的には、まずすべてOmniFocusのプロジェクトとしてタスクの管理を始めます。次にOmniFocusで、プロジェクトとタスクに期限を設定します。すると、「期限が今日」(または、それ以前)のタスクだけを一覧できますので、これをタスクシートに転記します。

 以前にタスクマネジメントツールのNozbeを紹介したときと同じように、まずはOmniFocusという「冷蔵庫」にタスクをすべて登録しておいて、そこから「今日やるタスク」あるいは「次のミーティングまでにやるタスク」などを必要に応じて切り出し、タスクシートという「まな板」に持ってくるわけですね。

 そうですね。その転記するタイミングで、二重にタスクが管理される状態が発生するのがイヤなので、私はタスクシートに書き写すときに、OmniFocusのタスクにチェックを入れて区別するようにしています。

 チェックを入れても、OmniFocusではタスクが削除されるわけではないので、タスクシートに転記してもやりきれなければ、チェックを外して“復活”させることになります。気持ちの上では残念ですけどね。

 OmniFocusはMacやiPhoneユーザーは便利に使えると思いますが、Windows PCでタスク管理をするときに、何かオススメのツールなどはありますか?


 タスクのすべてをいわゆるカレンダーの予定のようにして一元化できる「Chandler」というソフトがあります。これはWindowsでもMacでも動きます。ただ私が試してみた感じですと、相当複雑なタスク管理になってしまう印象を受けました。

 といってもメリットも複数あるので、タスクの一元化にこだわる人や、オンラインだけでなくオフラインでもタスク管理をしたいと考えている人は、一度検討されてみてもいいかもしれません。

 本来の使い方ではないですが、EvernoteをOmniFocusのように使うこともできますね。ただ、私は今はNozbeに移行しています。理由はいろいろありますが、やはりNozbeはタスク管理に特化したツールであるために、細かいところの使い勝手がいいからです。

 なるほど。前回までに紹介した内容を合わせてまとめてみると、


  • プロジェクトを構成している一連のタスクをNozbeやOmniFocusなどのタスクマネジメントツールを使ってまとめ、「直近に片づけるタスク」だけをタスクシートに切り出す
  • タスクシートに載せる際には、タスクの終了予定時刻を見てスタメンタスクとベンチ入りタスクに分けておく

 ということですね。タスクマネジメントツールは、PC環境や一元化へのこだわりなどを考慮して、各自好みのものを探してみるのが良さそうです。私もまずは自分に合ったツールを探してみることにします。 大橋さん、佐々木さん、ありがとうございました!

筆者:大橋悦夫

大橋
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1974年、東京生まれ。ブログ「シゴタノ!仕事を楽しくする研究日誌」主宰。学生時代よりビジネス書を読みあさり、システム手帳の使い方やスケジュール管理の方法、情報整理のノウハウなどの仕事術を実践を通して研究。その後、ソフトウェアエンジニア、テクニカルライター、専門学校講師などを経て、現在は仕事のスピードアップ・効率アップのためのセミナーや研修を手がける。デジタルハリウッド講師。著書に『「手帳ブログ」のススメ』『スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』『チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術』『そろそろ本気で継続力をモノにする!』『Life Hacks PRESS vol.2』『LIVE HACKS! 今を大切にして成果を5倍にする「時間畑の法則」』、近著に『成功ハックス』がある。

筆者:佐々木正悟

佐々木
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心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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