いつもの人とケンカをしないためのトーク術人を動かす話し方講座(3/3 ページ)

» 2009年05月25日 19時30分 公開
[水野浩志,Business Media 誠]
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マインド:自分から変わろうとすることが問題解決の第一歩

 うちの夫婦に限らず、人間関係が良くない人たちを見ていると、だいたいお決まりのパターンから抜け出せない状態で、ケンカをしているという事がよく分かります。

 もしできるのであれば、是非あなたが不快になるような人とのコミュニケーションを録音してみてください。びっくりするほど同じようなパターンで、関係が悪化していることが分かりますから。

 つまりそういった人間関係を改善させるためには、先ほども言ったとおり、そのパターンを崩すことから始めていかないといけないのです。しかし、多くの人はこのパターンを崩さなければいけないと分かっていながら、

  • 自分からは変えようとせず、相手から変えてもらいたい

 と思ってしまうようです。

 でも、私自身も経験しましたが、相手から変わってくれるケースというのはまずないんですよね。そんなまずあり得ないようなことを待ち続け、その間ずっとその人との付き合いを不快なものにし続けてしまうのは、精神衛生上あまりにもったいないと思うのです。

 誤解のないように言っておきますが、別に「相手を認めろ」とか「自分が悪いんだ」といったことを、私は言いたいんではないんですよ。ここで善悪や正誤の考えを持ち出すのではなく、

 ・ケンカにはパターンが存在し、そのパターンを崩すことでケンカが起きにくくなる

 ということを言いたいのです。だから、自分からそのパターンを変えるために、パターンに突入するトークの1つを逆の表現にしてみる。気持ちを込めなくてもいいからやってみるといいでしょう。こうして接し方を変えると、しばらくするうちに相手も自分に対しての接し方が変わってきます。不思議なものです。

 そうなると、気持ちを込めていない言葉、私で言うなら「そういう考えもあるよね」という言葉が、本当に心から言えるようになってくるんですよ。

 受け入れがたい人であっても、ケンカのパターンを崩して付き合っていくうちに、そんな風に人間関係が良好になることもよくあります。ぜひ一度だまされたと思って、取り組んでみて下さい。

著者紹介 水野浩志(みずの・ひろし)

 マイルストーン代表取締役。「社会に活き活きと働く大人たちを生み出す」をスローガンに掲げ、リーダーシップやモチベーション創造、自己表現力養成をテーマにした企業研修や公開セミナーを実施。また研修・セミナー講師向けに、具体的な成果を生み出す効果的なカリキュラムの構築手法や講師としてのマインド、人間力創りの指導も行っている。現在、日刊(平日)で、メールマガジン「1回3分でレベルアップ! 相手の心を掴むトーク術」を発行中。


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