筆記用具、手帳、ノート、PC、各種書類、ビジネス書……なんとなく不安だからといって、たくさんのものをかばんに詰め込んでしまう人は多いはず。そんなときは、脳の「ムダを嫌う習性」を利用してみましょう。
高速で大容量の無線通信が普及し、外出する際にノートPCを持参するビジネスパーソンも増えていることでしょう。ですが、かばんの中にPCを入れ、さらに四六判のビジネス書でも1冊持ち歩くと、もう重さも体積もなかなかのものになってしまいます。
何もかも持ち歩かないと不安になってしまう性分のため、ついついかばんにいろいろなものを詰め込みすぎて、要りもしないものをたくさん持ち歩いてしまいがちです。簡単にかばんの中身を少なくできる、何か良い方法はないでしょうか。
多くの場合、わたしのかばんの中身は、大容量のUSBメモリ、名刺、付せん、イヤフォン、それから切手、通帳、領収書、ペン、MOLESKINEのノートです。必要に応じてこれにMacBook Airと本が1冊加わります。わたしはあまり「体育会系」ではないため、かばんを重くしたくないのです。
かばんのほかに、ポケットにはiPhoneと財布が入っていますが、これだけでほとんどの外出時は困ることがありません。iPhoneにはデジカメ、ネット環境、メール、メモを持ち歩ける機能が備わっていますし、これだけあれば、わたしの仕事においてはたいていのことに対応できるのです(ちなみに、わたしは電車内ではほとんど寝て過ごすため、特段本を持ち歩く必要も感じません。本は、どちらかと言えば、座れない=寝られないときのための用意です)。
不安のためにたくさんのものをかばんに詰め込んでしまうという人のために、オススメしたいLifeHackがあります。それは、家に帰ったら、かばんの中身をいったん空にするというもの。どこかで聞いたことがあるかもしれませんが、この方法を習慣化すれば必ずかばんを軽くできるようになります。これ以上のことをする必要はありません。
例えば「持ち歩いた中で、今日使わなかったものをメモする」なんてことまでしようとすると、面倒すぎて普通はなかなか続きません。それよりも、とにかく一度は空にする習慣をつける。そうすれば、使いもしないのに何度も入れたり出したりするモノのことを、勝手に頭が記憶してくれます。脳はムダなことを繰り返すのが嫌いだからです。
そうするうちに、「間違いなくムダ」なモノを持ち歩かなくなります。結果としてかばんの中には、「必要になるかもしれないモノ」と「必要なモノ」だけが残っていくはずです。
心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。
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