次世代のオフィス環境を提案する内田洋行の展示会「UCHIDA FAIR 2010 in 東京」が始まった。遠隔会議フロアでの目玉は、ネットワークや端末の環境に応じて、通信品質を自動調整できるシステム「Vidyo」だ。
内田洋行が「ICTを活用した進化するオフィスづくり」をテーマに、東京・潮見オフィスで開催している「UCHIDA FAIR 2010 in 東京」。会場では、最新の遠隔会議システムをシーン別に展示している。中でも目玉としているのが、米国発のWeb会議システム「Vidyo」(ヴィディオ)だ。
「専用システムを持たない中小企業向けのWeb会議システムは、映像や音声の品質が安定しないことが多い」と説明するのは、内田洋行の名畑成就部長。「人間は音声や映像が0.5秒以上遅延するとストレスを感じる」という見方もある通り、スムーズな会話が可能かどうかは、Web会議システムの導入を考える上でポイントの1つとなる。
Vidyoは、「Web会議専用機ではないPCのCPU性能でも高画質を保ち、低速回線でもストレスなく利用できる」(内田洋行)ことが特徴。ビデオコーデックにはH.264/SVCを採用しており、ネットワークや受信端末の能力に応じて、最適な映像で通信できるのが強みだ(Vidyoについては過去にも取り上げているので、詳細を知りたい読者はそちらも参考にしてほしい)。
利用例としては、ノートPCにWebカメラを付けて、外出先などで利用する方法がまず考えられる。電源を確保できる飲食店や、公衆の場で提供しているホットスポットなどを利用して、社外から会議に参加が可能。また、新型インフルエンザなどの流行病や地震などの災害によって出社が制限されているような場合の利用も想定しているという。
一方で、大人数での利用シーンを想定した展示も行っている。ユニークだったのは、プロジェクタから壁一面のスクリーンに映像を投影し、遠隔地の相手と会議が行える会議室「1分の1」。Webカメラを使っての遠隔会議では、表情だけを映してコミュニケーションを行うものが一般的だが、1分の1での会議は文字通りの“等身大”だ。
Web会議システムでは、音声や映像に加えて、キーボードを使ったテキストでのやりとりが可能なものが多いが、このサイズのスクリーンに投影すれば、例えばホワイトボードなどを使って筆記しながらのコミュニケーションなども可能となるだろう。必要以上にカメラを注視する必要もないため、「いわゆるWeb会議」を行っているという意識なく利用できるのもメリットだ。
Web会議システムの技術は日進月歩。場所や時間を選ばずに利用できるのはもちろん、導入に当たっては「そのシステムを導入すると、働き方がどう変わるのか」を具体的にイメージすることが肝要だ。システムのスペックやコスト面などをチェックするだけでなく、「今の会議への不満点はどこなのか」を意識することが、最適なシステム選びの近道と言えるかもしれない。
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