会議の遅刻が多い人、遅刻者が多い会議への対処方法マグロ船会議術(2/2 ページ)

» 2010年07月29日 15時46分 公開
[齊藤正明,Business Media 誠]
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「遅刻者は素手でクラゲを100匹捕まえてくる刑」など罰則を決めておく――90点

 「素手でクラゲを100匹捕まえてくる刑」が適切かは別として、遅刻者が多い会社では「遅刻は厳禁」というルールを作っておくことは大事です。会議室の雰囲気をなごませるため、「1分でも遅れたら、入室時に出席者全員にお茶を買ってくる」など、少し遊び感覚のある罰を合わせて取り入れてもいいでしょう。人の意見を批判する人が多い会社であれば、「人の意見を批判するときは、代案を付け加えること」というルールなども有効です。

 とにかく、自分の会社で多い困ったこと、例えば今回のように、「遅刻者が多い」や「代案もなく批判的な意見を言う人が多い」場合は、ルールとして禁止してしまいましょう。そうすれば、「ルールでも決まっておりますので」という言葉を楯のように使えば、目上の人であっても注意できます。

 だからといって、ルールだらけにしてはいけません。それでは窮屈になり、話し合いが盛り上がらないという弊害も起こりえます。ルールはせいぜい5つくらいにしておき、その代わり、きちんと皆で徹底して守りましょう。

厳しく注意する――20点

 相手が上司でも部下でも、あまり厳しく注意しても反発を招くだけで、それほど改善ができるわけではありません。会議室の雰囲気を悪くするだけで、あまり良い効果が見られないことも多いです。もし注意をするのであれば、みんなの前で言わず、一対一になって伝えましょう。

遅刻者は会議室に入れないようにする――50点

 「遅刻」は「委任」であるとみなして、遅刻者を待たずに会議を始めてしまうことは悪くありません。その代わり、遅刻した人は会議で何が決まっても反論は許されません。ガミガミ怒っても相手との関係をおかしくするだけですから「遅刻するのは構いませんが、その代わりに会議には参加できません」というふうにしたほうが、相手に響くでしょう。

 ただし、「会議を招集した人」や、「プレゼンをする人」が遅刻した場合には、会議ができなくなってしまうという欠点があるので50点です。

遅刻者が多い会議は、その会議自体の意味を見直せ

 遅刻者が多い会議は、実はその会議自体の意味を見直す必要がある場合も多いです。今回のように「定例会議」と名前がついた会議には、とくにその傾向が強いです。思い当たる節はありませんか?

 会議参加者にとっては「今日は一体、何のために会議をするんだろう?」と当事者意識もなく、気乗りしていないから遅刻をするのです。定例会議を行っていた、ある会社の研修で「定例会議と聞いて、どんなイメージがありますか?」と参加者にたずねたところ、約7割が「時間の無駄」と回答し、その会社の経営者を慌てさせたことがあります。前回と重複する部分ですが、定例会議であれど、会議をはじめる前に、今回は何を話し合うのかを決めて参加者に共有しておきましょう。

 会議参加者は会議に出るために、資料を作ったり、営業に行く時間を潰して社内に残っていたりと、それだけでも目に見えないコストを感じているのです。様々な仕事を抱えた忙しい人々がせっかく集まるのですから、惰性で会議を行わず、会議の設定者は、参加者が「それならばぜひ話し合っておきたい!」と思うような「議題設定」と「雰囲気作り」をしておきましょう。そうすれば、遅刻者や直前欠席者が出る可能性はグッと減るはずです。

 またほかの参加者も、うっかり遅刻をすることがないよう、ただ受け身でいるだけではなく、ときには会議の設定者に働きかけるなどして当事者意識を高めて会議に挑み、会議の適切な運営のために協力しましょう。

編集部からのお知らせ

 この連載は、「@nifty ビジネス」で連載中の「今日からなれるファシリテーター 〜荒波を乗り越えるマグロ船会議術〜」から抜粋、再編集したものです。


筆者紹介:齊藤正明(さいとう・まさあき)

 ネクストスタンダード代表。1976年東京生まれ。北里大学水産学部卒。大学卒業後、民間企業の研究所に入社し、「マグロの保存剤」の開発に携わる。

 入社2年目のとき、上司から「マグロの保存剤の開発を成功させるには、お前は一回マグロ船に乗ってこい」と理不尽な命令をされるも、断りきれずマグロ船に乗せられる。

 嫌々乗ったマグロ船であったが、人間関係がギスギスしやすい閉ざされた空間だからこそ、素晴らしいコミュニケーション術がたくさんあり、笑顔で働く漁師たちに感銘を受ける。

 マグロ船を降りたあと、漁船での体験を元にファシリテーション術を自社に導入し成功。その後独立し今に至る。代表著書に『活きのいい案がとれる!とれる!マグロ船式会議ドリル』(こう書房)『会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ』(マイコミ新書)がある。雑誌などの掲載多数。


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