行動ログの縦軸と横軸――プロジェクトとタグ:あなたの不安、見積もります

一般的に行動記録には「プロジェクト」という縦軸と、「タグ」という横軸があって、両方をうまく使うと面白いことが見えてきます。

» 2010年12月02日 17時00分 公開
[佐々木正悟,Business Media 誠]

 先週は、iPhoneアプリの「TimeLabel」による「行動記録」を紹介しましたが、サービスは何を使うにせよ、一般的に行動記録には「プロジェクト」という縦軸と、「タグ」という横軸があって、両方をうまく使うと面白いことが見えてきます。

 「プロジェクト」はあまり悩むこともありません。「これが1つのプロジェクトだな」と思うことを、どんどん作っていけばいいのです。わたしにとっては本のタイトルがプロジェクトであり、この連載「あなたの不安、見積もります」もプロジェクトで、「ライフハック心理学」というブログもプロジェクトです。

 問題は「タグ」です。これは何に使うかというと、例えば「執筆」というタグがあり、また「ミーティング」や「整理」というタグを用意しています。

 つまりタグは、各プロジェクトに横断して存在する、行動カテゴリを想定しているわけです。この連載にも「執筆」という作業がありますし、本の原稿についてももちろん「執筆」という作業があります。しかし「執筆」はプロジェクトではありません。

 ミーティングも同じです。この連載のための「ミーティング」もあれば、本の原稿を書くために、編集さんと打ち合わせることもあります。ミーティングはプロジェクトではありませんが、同一のカテゴリに放り込めるような行動として認識できます。

 執筆なら執筆、ミーティングならミーティングで作業記録を取っておくと、結局今日1日、あるいは今週1週間で、自分はどのくらい「執筆した」のだろう? という問い合わせにサッと答えてもらえるのです。

 これは、「あなたの不安、見積もります」というプロジェクトについて、今週どのくらいの時間を使ったのかということとは、また異なる切り口です。そして、非常に有益で、直感的な示唆を与えてくれます。

 わたしは物書きですので、日がな1日中「執筆」しているようなつもりでいますが、実際に計測した時間を見てみると、それほど多くはないのです。例えばある週に測った1日あたりの平均執筆時間は「3時間23分18秒」でしたが、1日あたりの仕事時間はだいたい「10時間50分」なので、執筆時間は全体の3分の1程度(なんだか少し残念……)。このくらいしか「執筆」に当てていないなら、もっとほかのことをした記憶と感覚があっていいはずと思ってしまいます。

 前向きにいえば、「執筆」以外のことをしている時間をもっと充実させるとか、実感できるような活動を増やすという発想を持つことができます。あるいは、「執筆」をさらに減らすような、上手なアイデア発想の時間を増やすということも考えられます。これは、お金の投資計画を、時間で立てるのに似ているでしょう。

お知らせ

 12月18日(土)にセミナーを開催することにしました。このセミナーは、サラリーマンの方に限るわけではまったくありませんが、特に会社勤めされている方にこそ、聞いていただきたいと思っています。

 サラリーマンは、時間がない。実感として、時間がない。わたし自身がずっとそう感じていて、だからこそサラリーマン時代には、「自由になるたくさんの時間」に過大な期待を抱いてしまいがちでした。

 自由になる時間をいっぱいとれれば、何でもできるというのは、はっきり言っておそらく幻想です。なにもしなくてすむほどのお金があって、そしていろんな責務・雑務から解放されれば、いまよりずっとすごいことをやれるのに、と思っている方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

 しかしわたしは、そうはいかないと思っています。以前のわたしであれば、それはわたしの意志力とか精神力とか根性に問題があるのかとも思っていましたが、そういう問題ではないと思うようになりました。

 わたし自身がある程度、自由な時間を確かに活用できると実感されるようになったのは、ここ1〜2年のことです。これは、シゴタノ!、大橋メソッド、タスクシュートに出会った後のことなのです。だからわたしはこの手法をうまく幅広くお伝えしたいのです。

 12月18日(土)のセミナーは、このようなわけで、会社勤めされている方に、聞いていただきたいのです。

▼セミナー詳細はこちら
スピードハック総決算2010

筆者:佐々木正悟

 心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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