スライドのクオリティを高めるには「いきなりPC」上でスライドを作り始める習慣をやめましょう。ラフを手書きするというと、何だか1つ手間が増えるように思えますが、資料のクオリティを高め、作成時間を短縮する上で大きな威力を発揮。まず「ラフは手描き」が鉄則です。
スライドのクオリティを高めるには「いきなりPC」上でスライドを作り始める習慣をやめましょう。例えばカフェで構想を図解でまとめたら、すぐにオフィスに戻ってスライドを作成したいところですが、ちょっと待ってください。オフィスに戻る前にスライドのラフを描き終えておきましょう。
ラフを描くというと、何だか1つ手間が増えるように思えますが、実は逆なんです。資料のクオリティを高め、資料の作成時間を短縮する上では、構想と同様に手描きが大きな威力を発揮します。資料作成の生産性を高めるなら、まず「ラフは手描き」が鉄則です。
1つ目は自由度。どんなにプレゼンソフトの操作に習熟していても、フリーハンドの自由度に勝るものはありません。ソフトの操作に気を取られると「どのようなメッセージを入れるか」という一番重要な部分に頭が回らないのです。
2つ目はラフだと詳細が気にならないという点です。プレゼンソフトを直接操作してしまうと、レイアウト、色、テキストのフォントやサイズ、写真の配置などディテールに気がそがれてしまいます。これでは大事な話の本筋がずれてしまうというわけです。「木を見て森を見ず」にならないようにしましょう。
3つ目は手描きでラフを描くと分割作業ができるという点です。時間のない中、大量のプレゼン資料を作成する場合は複数人で分担することもあるでしょう。このとき、タイムラインに沿ったラフがあれば、その後の作業を同時並行で行なうこともできます。
つまりラフを描くことで、どのようにメッセージを伝えるかに「集中」できます。見栄えの処理はその後で十分です。
筆者 ラフを描くことは、タスクが複雑化すればするほど重要になってきます。実際のラフのサンプルを目的別にたくさん収録していますので、ぜひ本書でチェックしてみてください。次回は最終回。「実際にプロット図を描いてみよう!」です。
パワポの前に「図」で考える――。ベストセラー『頭がよくなる「図解思考」の技術』の第2弾となる本書は、プレゼンテーションの根幹とも言える「メッセージをどう作り、どのように伝えるのか」を図で整理する方法を解説しています。
「見栄えのいいスライドを作ること」や「説得力のある話し方をすること」も当然大事ですが、プレゼンの目的(メッセージ)そのものが洗練されていなくては、聞き手の心には届かないからです。営業プレゼンテーションや講演に限らず、ちょっとした説明や商談、または報告などにも応用可能で、あらゆるビジネスシーンで活躍するはずです。
知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。
連絡先: nagata@showcase-tv.com
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