ライバルが持っていなくて、あなたの持っているものは何ですか? 面接の場などで聞かれる自分の強みや弱みについて語るには、市場ニーズに対してどう高いのかを説明できる必要があります。
「あなたの強み(あるいは弱み)は何ですか?」
面談でよく聞かれる質問です。すると多くの人が、
と、自分で考えた自分の強みを語ります。果たして、これは本当に強みなのでしょうか?
本来、強みというのはライバルと比べたときに突出した能力であるべきです。自分で考えた長所ではないはず。
であれば、ライバルにはなくて自分にある能力、市場ニーズが高いけど希少性の高い技術を身に着けた人でなければいけません。そのためには、まず、どのようなポイントが市場ニーズが高いのかを把握する必要があります。
「価値曲線」というフレームワークは、ライバルとの差異を見える化するために大変便利なツールです。やることはシンプルで、横軸に、市場ニーズの高い項目(つまり、価値項目)、縦軸にその価値のレベルをとって、自分とライバルを比べてみるのです。
それぞれの価値項目ごとのポイントを結ぶと、折れ線グラフができます。着目すべきは、このグラフです。
ライバルにおいて、得点の低い価値項目であなた自身の価値が高ければ、それこそ「強み」です。市場ニーズが高く、それでいてライバルとの差が付きやすい項目が何であるかを把握することが大切です。自分の好きなこと、自分の経験が長いことが必ずしも強みにはならないことを理解しなければなりません。
また、折れ線を引いてみて、あまり形に差がないと「没個性」ということになります。多少ライバルより得点が高くても、形がほぼ同じであれば、それは市場から見れば誤差の範囲。決してライバルと差別化する要因にはなりません。
強みや弱みの分析は、個人にとっても企業にとっても、その能力をもっとどのような戦略を立てるのかを検討する際に、不可欠な要素です。SWOT分析、3C分析などの戦略フレームワークを使うときにも、こうした強み、弱みが客観的に抽出できないと、間違った戦略を立てることになってしまいます。
質問するときには、こう変えると分かりやすいかもしれません。
「ライバルが持っていなくて、あなたの持っているものは何ですか?」
パワポの前に「図」で考える――。ベストセラー『頭がよくなる「図解思考」の技術』の第2弾となる本書は、プレゼンテーションの根幹とも言える「メッセージをどう作り、どのように伝えるのか」を図で整理する方法を解説しています。
「見栄えのいいスライドを作ること」や「説得力のある話し方をすること」も当然大事ですが、プレゼンの目的(メッセージ)そのものが洗練されていなくては、聞き手の心には届かないからです。営業プレゼンテーションや講演に限らず、ちょっとした説明や商談、または報告などにも応用可能で、あらゆるビジネスシーンで活躍するはずです。
知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。
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