PDFの作成者名や変換前のファイル名など、外部に見られては格好がつかない情報がPDF内に残存していないかどうかをチェックする方法を紹介する。手動実行だけでなく、PDFを閉じる際に自動的にチェックが実行される設定方法も合わせて紹介する。
社外とPDFのやりとりをする機会が多い人にとって、外部に見られては格好がつかない情報がPDF内に残存していないかどうかは、なにかと気を使うものだ。例えば他の取引先への提案書を流用したことがあからさまに分かるファイル名が提案書のプロパティに書かれていたり、あるいはプロジェクトに関わっていないスタッフの名前が作成者として記されていたりすると、取引先からの信頼が低下するのは必至だからだ。PDFへの出力時に自動的に埋め込まれる場合も多いだけに、ケアレスミスも起こりやすい。
もし、これら作成者名などの情報のチェックを目視に頼って行っているのなら、Adobe Acrobat XI Proの「非表示情報を検索して削除」を使うようにするとよい。この機能を使えば、PDFに含まれる作成者や変換前のファイル名といったメタデータはもちろん、トリミングしたあとに残った非表示領域や注釈のデータなど、目視では見つけにくい情報も根こそぎスキャンしてリストアップし、削除するか否かを尋ねてくれる。あとは必要に応じて削除を実行するだけで、うっかりこれらの情報が残ったまま社外に出てしまうことを防げるというわけだ。
もっとも、この「非表示情報を検索して削除」についても、実行するのをうっかり忘れてしまっては意味がない。こうした場合は環境設定で「文書を閉じるときに非表示情報を検索して削除」の項目にチェックを入れておくとよい。そうすれば、PDFを閉じる際に非表示情報が検索され、何らかのデータが残っていればアラートが表示されるようになる。営業や広報など、対外的にPDFを公開することの多い職種では、必須の設定だといえるだろう。
ビジネスの各シーンで利用するPDFファイル。このドリルを練習して、PDFを上手に活用できれば業務効率が向上し、コストの削減ができるはず! さらに、ビジネスのいろいろな問題も解決できるかもしれませんよ。
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