ツールの切り替えなしに挿入/置換/取り消しの指示を記入する方法や、テキストの差し替え原稿をPDFに直接添付する方法など、PDFの校正をさらに使いやすくするTipsを5つ紹介する。
ここまで「テキスト修正編」「コメント編」と、PDFで校正を行うためのコツを2回に分けて紹介してきた。今回は「便利ワザ編」として、PDFの校正をさらに使いやすくするTipsを5つ紹介しよう。
PDFに記入された注釈の一覧は「注釈のリスト」に表示されるが、注釈パネルウィンドウや描画マークアップツールパネルウィンドウを展開した状態だと、表示される面積がどうしても狭くなってしまう。注釈そのものの数が多いと、スクロールしながらチェックするのも大変だ。
こうした場合は「注釈のリストをドッキング解除」を選択し、作業ウィンドウから切り離して表示するとよい。マルチディスプレイで作業している場合は、画像編集ソフトのDockなどと同じように、別の画面に移動させ、メイン画面を広く使うこともできる。
注釈に表示されるユーザ名は、それぞれの注釈のプロパティから書き替えが可能だが、書き替えたはずなのに、次に注釈を記入する時には元に戻ってしまって困る場合がある。
これはAcrobatの環境設定で「作成者名として常にログイン名を使用」にチェックが入っているのが原因であることが多い。「編集」→「環境設定」→「注釈」でチェックを外してやることで、注釈側で指定したユーザ名が利用できるようになる。社内文書と対外文書で、注釈に使うユーザ名を切り替えている場合には必須の設定だ。
テキストの挿入/置換/取り消しといった各ツールを切り替えながら使う場合、パネル上でいちいち切り替えるのは面倒だ。
こうした場合は「テキスト修正マークアップ」ツールを使えばよい。キーボードからの操作に応じてこれら3つのツールが自動的に切り替わるので、効率よくテキストの校正作業が行える。
Acrobatでテキストの修正を指示する際、単語単位で置換するのではなく、本文そのものをそっくり差し替えたい場合がある。本文の内容がまったく意に即していない場合や、昨年の原稿が入っていて差し替えが必要な場合などだ。
こうした場合は、置換ツールを使って指示するのではなく、差し替えの対象となるテキストファイルそのものを添付するとよい。メールに添付して送信するのと違い、PDFの中に貼り付けるのでウィンドウをいちいち切り替える必要もなく、注釈リスト上にも表示されるので処理の漏れや取り違えも少なくなる。
Acrobatにはテキストファイルや画像ファイルを添付する機能とは別に、音声ファイルを添付する機能もある。その場でサウンドレコーダーを起動してマイクから録音することもできるので、校正の指示を言葉で伝えることができる。微妙なニュアンスを伝えたい用途のほか、テキスト化しづらい指示を伝えたい場合など、知っておくと役に立つはずだ。
ビジネスの各シーンで利用するPDFファイル。このドリルを練習して、PDFを上手に活用できれば業務効率が向上し、コストの削減ができるはず! さらに、ビジネスのいろいろな問題も解決できるかもしれませんよ。
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