PDFに電子押印をする場合は、Acrobatの電子印鑑を利用するのが早道だ。外部サービスを利用してリアルな認印を作成する方法も併せて紹介する。
最近では電子押印が広く認められるようになり、スキャンしたPDFの書類をメールに添付して相手に送り、認印や社印を押して返送してもらうケースも増えてきた。現時点ではまだ電子押印はNoという法人についても、今後徐々に解禁の方向に向かっていくのは、まず間違いないだろう。
PDFの書類に押印する最も手軽な方法は、Adobe Acrobatの「電子印鑑」機能を使うことだろう。Adobe Acrobat XI Proの場合、[表示]→[注釈]→[注釈]で注釈パネルウィンドウを開き、「スタンプを追加」ボタンから「電子印鑑」を選択する。さまざまな印影が表示されるので、そこから必要なデザインを選べばよい。姓名や会社名については、あらかじめ[編集]→[環境設定]→[ユーザー情報]で指定しておく。
この方法ではさまざまな形状の電子印鑑が用意されているが、書体が味気なく感じる人もいるかもしれない。こうした場合は外部サービスで印影を作り、それを画像データとして読み込んで使えば、紙で印を押したのと見分けがつかない電子印鑑が利用できるようになる。
印影が作成できるソフトは検索すればフリー版も含めて山のようにヒットする。中でも本稿公開時点でお薦めなのが、インストール不要で利用できる、白舟書体が提供する「Web認印」だ。このサービスを使えば、日本の名字上位1万の姓について、印影データを無料でダウンロードできる。書体も古印体が利用できるので、認印としては実物とほぼ区別がつかない。以降で使い方を見ていこう。
ダウンロードしたデータはAcrobatの注釈パネルウィンドウの[スタンプを追加]から[カスタムスタンプ]→[カスタムスタンプを作成]を選択し、ファイルを選択。分類を選んで登録すれば、前述の電子印鑑の1つとして利用できるようになる。
以上の方法のほかにも、紙に押した印影をスキャナで取り込み、画像ファイルとして利用する方法もある。画像処理ソフトでの加工など一手間かかるが、この方法であれば「Web認印」にない苗字などでも問題なく利用できる。最初の設定さえ済ませてしまえば後はスムーズに利用できるので、電子押印の本格的な普及を前に準備を済ませておくと何かと役立つはずだ。
ビジネスの各シーンで利用するPDFファイル。このドリルを練習して、PDFを上手に活用できれば業務効率が向上し、コストの削減ができるはず! さらに、ビジネスのいろいろな問題も解決できるかもしれませんよ。
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