人手不足が深刻化するなか、厚生労働省が“時代に合った働き方”ができる人材の育成に乗り出す。厚労省が今後の職業能力開発について、どんな方針で検討を進めているかをまとめた。
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本記事は企業実務のコンテンツ「これからの法改正の動き」から一部抜粋・編集して掲載しています。
厚生労働省の「職業能力開発の今後の在り方に関する研究会」が、これからの職業能力開発政策についての中間取りまとめ案を作成しました。本案では今後の職業能力開発について、次の観点から取り組むことが必要としています。
職業能力開発と職業能力評価は車の両輪といえるものですが、前者に比べて後者の整備はやや遅れているのが実情です。
そこで、外部労働市場での活用を念頭に技能検定制度を見直すとともに、既存の国家資格や技能検定ではカバーできていない対人サービス分野等を重点に、求職者や非正規雇用労働者等が活用できる職業能力評価制
度を構築します。
制度の構築に当たっては、次のことが重要としています。
キャリア・コンサルティングを労働市場インフラとして実質的に機能させていくため、キャリア・コンサルタントの養成を促進し、その役割の明確化、質の担保・向上を図ることが必要だとしています。
その手段として、ジョブ・カード制度について、登録キャリア・コンサルタントの役割、位置付け、名称、求められる資質を整理したうえで、活用推進を図ります。
また、キャリア・コンサルティング、ジョブ・カード、職業能力評価制度を推進するための助成措置等の支援を行なっていくべきともしています。
職業訓練について、キャリアアップ・キャリアチェンジを支援する有効なツールであると捉え、産業構造の変化等に柔軟に対応した実施が必要だとしています。そのため、若者、女性や就業困難者等、対象者の多様化に応じた職業訓練コースの開発・ノウハウの蓄積が重要としています。客観的な訓練効果の分析に係る調査研究、職業訓練の効果の把握・検証の取組み強化も行います。
厚生労働省は本案をもとに報告書を作成し、次期通常国会までに職業能力開発促進法改正案をまとめる予定です。
地震等の災害時に現場への通行の妨げとなるのが放置車両です。内閣府は災害現場への通行に支障が出ると判断した場合、所有者の同意がなくとも放置車両を撤去できるようにする災害対策基本法の改正案を、今秋の臨時国会に提出する予定です。
貨物自動車に係る運転免許制度の在り方に関する有識者検討会が、道路交通法を改正し、3.5トン以上7.5トン未満の小型トラックに限定した新しい免許区分の創設を求める報告書をまとめました。
従来の普通免許は5トン未満であればトラックも運転できますが、新区分ができると実質的に乗用車専用となります。
政府は来年の通常国会で個人情報保護法の見直しを予定していますが、ベネッセコーポレーションの顧客情報漏洩問題を受け、改正法案にさらなる漏洩対策の強化を盛り込む方針です。
中小企業庁は中小ものづくり高度化法で11の技術分野を支援対象として認定を受けた中小企業に低利融資等の優遇を行っています。来年の通常国会で同法を改正し、支援分野に設計やデザインを加え、3Dプリンタを導入する試作品製造業者等を対象に含める方針です。
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