これで「ポメラ」と言えるのか? DM100を早速使ってみた(2/2 ページ)
二つ折りは不採用、Bluetooth対応――前モデルから大幅な変化を遂げた新ポメラ「DM100」をキングジムの社員が使ってみました。
これで「ポメラ」と言えるのか? という議論
「折り畳みキーボードがない上に、あれもこれも機能を追加したら、これはもはやポメラじゃない!」と、私は思いました。枯れた機能でも厳選し、目的を明確にして磨きをかける、それがポメラではなかったのか?
しかし今となってはバックライトもBluetoothも辞書機能も、とりわけ珍しい機能ではありません。そして、やはりテキスト作成にあるとうれしい機能に特化して付けていることに変わりはないのです。
さすがに折り畳みキーボードまで捨ててしまうとあのギミックのファンだったユーザーからすれば、相当残念でしょう。しかし、折り畳みを廃する事によって得られる安定感や、かばんの中での収まりの良さを取ったのでしょう。逆に言うとその決断には「9人から要らないと言われようとも、1人からは絶対ほしいと思われるモノを」という精神が消えていないことを感じさせます。
形や機能は相当変わりましたが、ポメラの精神は変わらず今に合わせてポメラを再定義したらこうなった、と解釈しています。
後からジワジワ「来る」タイプ
前回アップした「就職活動をしたことがないサラリーマンの私から、一つご提案」のブログは全てDM100で書いたものです。ポメラ発売当初から私の環境もいろいろ変わりました。誠ブログを書くようになり、AndroidでGmailを簡易クラウドテキストエディタとして使用している今の私にとっては、DM100なら出先での文書作成環境は相当改善してくれそうです。
本体が折り畳みでなくなったため、入力時の安定感は増しています。キーボードはストロークは感じるもののかなり浅いです。押し返してくる感じも強くありません。この薄さのせいでしょうか、ガーっとタッチタイプがのってきた時に、自分は1回押しのつもりなのに「連打」したと判断されるときが数回ありました。しかし、そうしたこともこの薄さが手に入るなら我慢できない範囲ではないように感じます。
後はかばんに入れやすい、出しやすい形になりましたね。折り畳みキーボードというアイデンティティーを失ったのが最初はとにかく残念でしたが、かばんの中で安定するというのはそれを補って余りあります。
私は機器に身体の方を合わせてしまうタイプで、キーボードにこだわりがある方ではありません。なので、むしろこの薄さでこれだけのクオリティを出しているのはすごい方だと思ってしまうのですが、こだわりのある方はどう評価するのでしょうか。楽しみです。
とまあ、いろいろ書きましたが、振り返ってみると使い出しはホントに普通でしたね。形がこれだけ変わったんだから書くことも相当あるだろうと思っていたのですが、違和感なくすんなり入れてしまったので、逆に書くことがなくて困ってしまいました。
今もDM100で書いているのですが、第一印象とは変わって、結構良いなと考えが徐々に大きくなってきている自分に気付きます。少し前に社内で試作品を見たときには「これがポメラですか?」くらいのことを言った訳なんですが、こうしてしばらく使ってみるとこう……徐々に「くる」もんがありますね。
言い換えれば文章を書くことに集中させてくれると言うこれまでのコンセプトを、形は変わってもちゃんと引き継いでいるからなのだと思います。
形に関してはユーザーの選択肢が広がった、と解釈すれば良いのではないでしょうか。DM100の形や機能が自分のライフスタイルに合う人はDM100を、DM20が合うならDM20を選べば良いと思います。
どの機種を選んでも、ポメラの精神は同じように感じていただけると思います。やはり、自分のワークスタイルを見極めて撰ぶことが大切ですね。
※この記事は、誠ブログの「ファイリングは捨てることと見つけたり:アイデンティティは形にあらず 〜ポメラDM100を使ってみた〜」より転載、編集しています。
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