クラウドで中小企業の“事業コンシェルジュ”――弥生、9月に「やよいの店舗経営 オンライン」開始
弥生はクラウドサービス「弥生オンライン」を発表。第1段として、店舗経営者の業務をサポートするサービス「やよいの店舗経営 オンライン」を9月3日に開始する。
弥生は7月24日、クラウドサービス「弥生オンライン」を発表した。第1段として、店舗経営者の業務をサポートするサービス「やよいの店舗経営 オンライン」を9月3日に開始する。
弥生オンラインは、同社が提供するクラウドサービスの総称。今後、業務パッケージソフト「弥生シリーズ」のSaaS(Software as a Service)提供なども予定している。
やよいの店舗経営 オンラインは、店舗経営者向けに特化した、店舗の収支をタイムリーに把握できるサービス。利用者は、これまで紙などで管理していた入出金などの記録を専用画面に入力することで、現状の売り上げ状況や今後の見込みをグラフで把握できる。加えて、弥生のパートナー会計事務所(PAP会員)から経営に関するアドバイスを受けられる。
弥生シリーズにも共通する「操作性の容易さ」を目指した。飲食、理美容、小売、その他個人事業主など、業種ごと用意しているテンプレートに沿って売り上げ日報を記録することで、累計の実績や進ちょく率をグラフで把握できる。
弥生の岡本浩一郎社長は、「起業したばかりで会計のことがよく分からない、またそこに時間や労力をかけられないといった人に最適なサービス。弥生がユーザー企業の事業をサポートするコンシェルジュのような役割を果たしていきたい」と話している。
利用料は月額1470円。別途、PAP会員による顧問料が発生する。利用するに当たっては、専用ページ(9月3日の正式リリース後にオープン)から好きなPAP会員を選び、PAP会員経由で申し込む形だ。
申し込みを受け付けたPAP会員は、会計ソフト「弥生会計」でユーザー企業の状況をサポート。PAP会員側の弥生会計には「やよいの店舗経営」というモジュールが追加され、あらかじめひも付けしたユーザー企業の一覧を表示できるようになる。取引の入力状況、付せんの有無、締め状態を確認できる仕組みだ。
なお、PAP会員は全国4500事務所。このうち、やよいの店舗経営 オンラインに対応するPAP会員は現状で400事務所で、今後も数を増やしていく予定だという。
弥生オンラインの今後の計画について、岡本社長は「今後2年以内に、弥生シリーズのクラウド提供を目指す」としている。クラウド版のみの提供というよりは、パッケージ版の機能をオンラインでいつでもどこでも利用できる付加価値サービスとして、オプション提供していく考えだ。業務ソフトウェアベンダーの弥生が、今後ユーザー企業の業務全体を支援する“事業コンシェルジュ”になっていく第1歩となる。
2012年で弥生シリーズの25周年を迎えた弥生。本発表と同時に、新ロゴも発表した。2012年12月から、順次新ロゴに切り替えていく。
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