もっと早く手にするべきだった、と思わずこぼしたMacユーザーによるiX500ファーストインプレッション:初めてのScanSnap(2/2 ページ)
ScanSnapを初めて手にしたMacユーザーの筆者によるファーストインプレッション。スキャンスピードやスマートフォン連係に驚き、思わず「もっと早く手にするべきだった……」とこぼしてしまった。
えっ、こんなに速いの?
Macにドライバやアプリをインストールし、iPhoneにも専用アプリをダウンロードした。まず最初にスキャンする“素材”として、以前取材を行ったときにもらったA4サイズ20枚程度、裏表印刷の文字がびっしり書き込まれた書類を最初に選んだ。そのときはなにげなくカバンに詰め込んでしまったため、カドが折れていることや、ホチキス跡が残っているなど、状態は悪いものを最初に選んでしまった。
紙の置き方すらも調べないまま、フタを空けて原稿をセット。光っているボタンを押して見たところ、するりと1枚ずつ吸い込まれている。そのスピードがあまりにも速いため、筆者は設定ミスで空送りになっていると思い込んでいた。事実、Mac側にはPDFがどこにも作成されていないし、なんのメッセージも表示されていなかった。
しかし、これでカンペキに読み込みが完了していたのだ。なんてことはなく、インストーラーの指示に従いiPhone版アプリを設定後、起動したままにしていたため、無線でつながっていたiPhone側にPDFができていたのだ。しかも大変鮮明なドキュメントでした……。
要するに、スマートフォンで文書をすぐに持ち出したいときは、アプリを起動したままiX500を開き、原稿セットしてボタンを押すだけ、ということになる。想像していた以上に速く、想像していた以上に手軽だった。
領収書や名刺に会員証も?「A4以外」をスキャン
次にスキャンさせたかったのは、整理が大変な「名刺」だ。実はこれも先入観で、名刺は付属のA4キャリアに挟み込んでスキャンさせるのかと思っていた。しかし名刺サイズでもそのままトレイに置けば読み込んでくれると知り、早速やってみた。
Macの場合は、ドックにて起動しているユーティリティー「ScanSnap Manager」をクリックし、読み取り設定を名刺管理ソフトの「CardMinder」に指定する。この状態でトレイに置いた名刺群をスキャンさせることですぐに読み取ってくれる。裏表同時にスキャンするため、CardMinder上で反転も可能だが、あらかじめ裏表と向きを合わせておき、トレイにセットするほうが後々の整理が楽である。
このとき、ちょっと意地悪な作業をしようとした。以前主催したイベントでいただいた名刺をまとめてスキャンしようと思いついたのだが、このときもらった名刺は手作りのものばかりで、サイズも紙質もバラバラ。手書きのものも多数存在する。
なんという事でしょう! 驚いたことに、これも2重送りされることなく、きれいに読み取りが行われたのだ。ブログ等でのScanSnapの評判では使い続けることで2重送りが発生し、メンテナンスを気を付けるべし、などと書かれていたのを読んでいたが、名刺サイズ(それ以下のものもあった)がここまできれいに処理されたのは驚きだった。
ここまでの素直な感想は「もっと早く(ScanSnapを)教えてほしかった」……。すでにユーザーである方々からおしかりを受けるかもしれないが、ScanSnapの便利さにやっと気付いた筆者であった。
やっぱり残念な無線LAN対応
先ほど、iOSアプリでの連係を紹介したが、このときはもちろん無線LANを利用している。が、iX500自体はPCやMacとUSB 3.0で接続する必要がある。
USB接続は、設置スペースとの戦いだ。デスクトップPCであれば一度場所を確保すればいいかもしれないが、筆者のようなノートPCユーザーとなるとスペースが足りないという方も多いだろう。そしてインストール時に困ったように、USBのコネクタが空いているかという点も気を付けないといけない。
最近のプリンタ(というよりスキャナやコピー機能を持つ複合機)は大変安価になり、エントリー機ですら無線LAN対応しているものが多い。そうでなくてもプリンタサーバ機能を持つ無線LAN親機に接続することでワイヤレス化し、すっきりとした状態になっているのではないかと思う。特にScanSnapやプリンタ複合機のように、本体上部に何も載せられないものは場所の確保が難しいというのが現状ではないだろうか。
今回の新機種ではScanSnapで初めて無線LAN対応となったが、これはスマートフォン接続のためであり基本はUSB接続。このあたりが今後改善されることを祈りたい。
今回の記事は導入して数日間使った感想のみを紹介した。スキャンのスピードで驚き、スマートフォン対応で驚き、そして早めに導入しなかったことを後悔した――。もしいままでスキャナに興味はあったけれど踏み込めなかった人や、Macで使えるのか不安だという人にはぜひ触ってほしいデバイスだ。(続く)
著者紹介:宮田健(みやた・たけし)
元@ITの編集者で、現在IT分野やエンターテインメント分野においてフリーライターとして活動。アイティメディアのONETOPIにて「ディズニー」や「博物館/美術館」などのキュレーターをこなしつつ、自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め日々試行錯誤中。
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