マイナンバーの相談急増 16年版「消費者白書」 3割はIT関連

» 2016年05月24日 16時22分 公開
[ITmedia]

 消費者庁は5月24日、2016年版消費者白書を公表した。消費者トラブルのうち、携帯電話の契約やSNSなど情報通信に関連するものが3割以上を占め、マイナンバーや電力自由化など新制度に関する相談も急増している。

 2015年度に各地の消費生活センターに寄せられた相談件数は約92.7万件で、前年度を若干下回ったものの高水準。携帯電話やスマートフォンの契約トラブル、インターネット接続回線トラブル、SNSをきっかけとしたインターネット利用に関する相談など、情報通信に関連するトラブルが相談件数全体の3割以上を占めた。

消費生活相談件数の推移。前年度は下回ったが、依然として高水準

 高齢者の相談件数は全体の27%を占める。高齢者は消費者トラブルや被害に遭いやすく、かつ携帯電話の契約やインターネット利用に関するトラブルなど、内容が複雑で自分では交渉できない場合が多い。障害者や認知症患者に関するトラブルも多く報告されており、相談対応の質の向上や見回りネットワークの構築推進などが必要と指摘している。

 マイナンバー制度の導入に伴い、昨年10月からマイナンバーに関連する相談も急増。10月〜12月で956件、1月〜3月で1231件に上った。「マイナンバーの提出が求められているが応じていいか」といったものが多かったが、中には不正な勧誘や個人情報の取得などのトラブルもあった。

マイナンバー関連のトラブルが急増

 具体的には、「口座番号を教えてほしい」「個人情報を調査する」といった不審な電話や、マイナンバー制度やマイナンバーの通知を口実に資産状況や口座情報を聞き出したり、何らかの名目で現金を要求する──といった内容。「有料サイトの登録料金が未払いで、放置すれば訴訟履歴がマイナンバーに登録される」というメールが送付されたり、言われるままにお金を支払ってしまったケースもあるという。

 電力自由化に関連した相談も増加傾向にあり、消費者生活に関連の深い、新しい制度にからむトラブルが目立っている。

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