とはいえ、ドラマと舞台では必然的に演出が変わってくる。ドラマ版では、キャストが実際にロードバイクで駆け抜ける。プロの指導のもと、太ももがパンパンになるまで練習しているのだという。ドラマ版から初参加のキャストは、特に筋トレに精を出しているのだとか。
自転車も、スポーツサイクル専門店「Y'sRoad」(ワイズロード)の協力を受け、原作を忠実に再現したモデルを用意。登場人物の1人、今泉が乗る自転車ブランド「スコット」には青のモデルはないが、原作に合わせて特注した。物語の序盤で坂道が乗っているママチャリも、今回のための特別製だ。
会見では、キャスト陣の意気込みが口々に語られた。
「舞台版の初期段階から参加している僕たちにとっては、いろんな思いがある実写ドラマ化。でも自分たちにとっては、夢があるとてもありがたい話。キャストに現場で会って、垣根を超えてドラマ化されたと実感した。舞台ではオーバーに演技をしていたがドラマは繊細。表情や筋肉の動きなど、繊細に作り上げられているドラマを楽しんでほしい」(郷本直也/金城真護役)
「舞台の初演の話を受けて初めて原作を読んだときの『ロードレースって楽しいんだな』という新しい思いを、ドラマ版でも抱いていきたい。舞台では演じるうちにキャラクターを理解して演じぬいた。もう一度キャラクターと走れる時間を大切にしたい」(鈴木拡樹/荒北靖友役)
「『弱虫ペダル』という作品の魅力に引き付けられ続けている。この作品に出合えたことは自分の人生にとってすごく大きいし、この出会いを大事にしたい」(植田圭輔/真波山岳役)
プロデューサーやキャスト陣のこだわりが詰まったドラマ「弱虫ペダル」。監督を務めるのは「半沢直樹」「下町ロケット」の演出を担当した棚澤孝義さんも「友情を丁寧に描いた」と語る。
BSスカパー!を運営するスカパーJSATの16年3月期は、加入者数が3期ぶりに純増し、過去最高益となっている。ドラマ「弱虫ペダル」は、好調のスピードをさらに上げられるのか――。同社は、第1話を無料放送するほか、7月に事前特番を放送するなど、既存契約者や新規契約を検討する視聴者に対してアピールする。
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