土肥: さて、前置きが長くなりましたが、この2〜3年えのすいの来場者数が増えていますが、その理由を教えていただけますか?
高井: 常時、さまざまな企画展などを行っているので、「お客さんが増えた理由はこれだ!」とはなかなか言いにくい部分があるのですが、最大の理由は「ナイトアクアリウム」(現在は「ナイトワンダーアクアリウム」)だと思います。2014年7月、夜の水族館を舞台にプロジェクションマッピングを使ったイベントを実施しました。いまではいくつかの水族館でプロジェクションマッピングを使った演出をされていますが、当時はどこもしていなかったんですよね。
このイベントを始めたところ、夜の来場者が増えました。2014年は33万人、2015年は40万人がお越しになられた。
土肥: 考えてみれば、いまの時代に「夕方の5時に閉館します」というのは、かなりの機会損失ですよね。夜も営業していれば、仕事が終わったビジネスパーソンも水族館で魚を見て、食事に行くことができる。それにしても、このナイトワンダーアクアリウム……派手ですねえ。プロジェクションマッピングなので照明が明るくなったり暗くなったりするのは仕方がないとしても、音はちょっと大きすぎませんか? こんなに大きな音を出したら、水槽の中で泳いでいる魚がびっくりするのでは?
高井: いえ、驚いていません(きっぱり)。水槽の中を見ていただけますか? 大きな音にびっくりして、ヘンな動きをしている魚はいませんよね。
土肥: (じーっと見て)確かに。
高井: できるだけ生き物に迷惑をかけないように、夜のイベントを行っています。この点については、最も注意しました。音や照明に魚が驚いて、違う動きをしたり、暴れたり、落ち着きがなくなったり、そのような行動をする企画は水族館で行ってはいけません。
土肥: うーん、でも「釣りをしている近くでは走ってはいけない」と言われますよね。魚はそれほど音に敏感だから、釣りをしている近くではそーっと歩かなければいけない。でないと、魚が逃げてしまう。でも、この夜のイベントは大きい音を流していますが、本当に魚はストレスを感じていないのでしょうか?
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