インタビュー
» 2016年09月28日 06時00分 公開

過去最高! 新江ノ島水族館がV字回復したワケ水曜インタビュー劇場(えのすい公演)(6/7 ページ)

[土肥義則,ITmedia]

アイデア次第で来場者数は増える

土肥: 繰り返しになりますが、えのすいにはジンベイザメがいない。世界に一匹だけという生物もいない。他の水族館のような巨大水槽もない。そうした条件の中で、アイデアひとつで来場者数を増やすって、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)のようですね。

 いまでこそ絶好調のUSJですが、来場者数の減少に歯止めがかからない時代がありました。当時は予算が少なかったので、ハリーポッターのような大きな施設をつくることができなかったそうです。そこでUSJは何をしたか。いまあるモノを活用しました。例えば、ジェットコースターの座席を進行方向と逆向きに設置しました。それが大人気となって、いまでは常設のアトラクションになりましたよね。

高井: 水族館ではその昔、珍しいモノ、世界に一匹しかいないモノが注目されていました。しかし、いまはそういう時代ではないんですよね。相模湾に生息するイワシでも、紹介の方法によって「おもしろいなー」と感じていただける。

 また、展示期間が短い生物も人気があるんですよね。例えば、メンダコ。深海性がある生き物ですが、長期的に飼育することが難しい。特に珍しいモノでもないので、ニュースとして発表することも難しい。しかし、SNSを使って「メンダコを採取しました。今日から展示していますが、いつ終わるか分かりません」といった情報を発信すると、たくさんのお客さんが来られるんですよね。

土肥: 昔と違って、集客の方法が変わってきた?

高井: ですね。昔は「目玉生物を新たに投入しました」「このエリアをリニューアルをしました」といった点をアピールしなければ、お客さんが増えないといった傾向がありました。もちろん、いまでも目玉生物は必要ですし、エリアのリニューアルも必要なのですが、それだけではなくなってきました。先ほども申し上げたとおり、営業時間を伸ばして、音と照明の演出によってたくさんのお客さんに来ていただける時代になったんですよね。

土肥: 水族館って、必ずしも「たくさん見るモノがなければいけない」「珍しい生物がたくさんいなければいけない」「巨大な水槽がなければいけない」というわけではないと。アイデア次第で、お客さんはたくさん来られると。

高井: 大きな水槽でなくても、小さな水槽でも勝負できると思うんですよね。例えば、クラゲの水槽はそれほど大きくはありません。でも、お客さんからは「クラゲの水槽がきれいだった」という声が多いんです。分かりやすい説明、分かりやすい展示などによって、お客さんにどれだけ伝わるかが大切なのではないでしょうか。

えのすいで展示されているクラゲ

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