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» 2018年08月31日 08時00分 公開

常見陽平のサラリーマン研究所:あえて言おう。私は「家畜」である (4/4)

[常見陽平,ITmedia]
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悩みを共有しようじゃないか

 このような話を紹介すると、「自分のグチをツラツラと書きやがって」とお叱りの声が飛んできそうだが、男性はこのような悩みをもっともっと発信したほうがいいと思う。SNSを見ていると、家事・育児に関する悩みなどを発信しているのは女性のほうが圧倒的に多く、男性の声に触れる機会はほとんどない。

 また、いまは「イクメン」「イクボス」のように育児に参加する男性、それをフォローする管理職が求められている。少子化が進んでいる中、子育ては大事だ。子育てに限らず、さまざまな事情を抱えた労働者が増えている。働く男性が育児に参加すること、育児をする部下を応援する管理職であることは誰も否定しないだろう。ただ、仕事の量や難易度を減らさないで、それを強要するのは時に「暴力」になる。「無理ゲー」(クリアが非常に困難なゲーム)と言ってもいいだろう。掛け声だけでは、破たんする。そして、私のようにモヤモヤしている労働者には耳を傾けるべきだろう。

 いくら礼賛したところで、辛いものは辛い。また、いかにも仕事と家庭を両立している理想的なイクメン像、凄母像(すごははぞう)のもとで、なかなかそうなれずに悩んでいる人がいることも理解してほしい。だから、一部の女性向けメディア、育児メディアの論調には怒りを感じていることがあるのだ。どういうことかというと、仕事と家庭を両立している人が登場して、勇気付けられる一方で、「スゴい人」前提で語られると傷つく人がいることも忘れてはいけない。

 イクメンという偽善的な言葉は、大嫌いである。ということで、私を「イクメン」と呼ばないでほしい。「主夫」と呼んでほしいのだ。そして、子育て絶賛中の父親諸君。ストレスばかりを抱え込まないで、悩みを共有しようじゃないか。

常見陽平のプロフィール:

 1974年生まれ。身長175センチ、体重85キロ。札幌市出身。一橋大学商学部卒。同大学大学院社会学研究科修士課程修了。

リクルート、玩具メーカー、コンサルティング会社、フリーランス活動を経て2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師。長時間の残業、休日出勤、接待、宴会芸、異動、出向、転勤、過労・メンヘルなど真性「社畜」経験の持ち主。「働き方」をテーマに執筆、研究に没頭中。著書に『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社)『僕たちはガンダムのジムである』『エヴァンゲリオン化する社会』(ともに日本経済新聞出版社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)『普通に働け』(イースト・プレス)など。


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