――すごいエネルギーで活躍をし続けている島田さんに最後にお聞きします。これからの「女性活躍」に必要なことは何でしょうか。
過去を否定するつもりはありません。第二次大戦後に均一な工業製品を大量生産してきた時期は、労働時間も長かったので、体力に優れた男性が外で働き、女性は家庭を守ることに合理性があったのでしょう。でも、さらに昔には女性が活躍していた江戸のような時代もありました。現在はさまざまなツールがあるので、体力に劣る女性でも十分に働くことができます。
私は「女性活躍」という言葉は好きではありません。「どうして女性だけなの?」と感じてしまうからです。だから「一億総活躍」という言葉は好きなのですが、「その前に一億総ワクワクが大事だろう」と思います。
ワクワクすることはすごく大切です。エネルギーやモチベーションが「湧く」という言葉にも通じています。現在は固定観念や思い込みによってさまざまな「枠」がはまっている人は、それを1つずつ取り外してワクワクすることを考えてほしい。
ビジネスの世界ではロジックやデータはもちろん大事です。でも、それだけでやっていける時代ではありません。感情など、目に見えなくても大切なものはたくさんあります。
繰り返しになりますが、働き方改革は完全にリーダーシップマターです。リーダーが変わり、新しい働き方を自ら模範となって示せば、全てが変わります。私自身も含めて、リーダーが知性や心の広さを高めていく必要があるのです。そんなリーダー人材をいかに育てていくかは人事の最もやりがいのある仕事となるでしょう。
国を挙げて働き方改革を唱えている今が、日本にとってすごいチャンスだと私は思います。一人一人が自分の働き方と生き方を決めて、本来の力を発揮できる国になるチャンスなのです。だから、WAAをみんなでやろうよと呼びかけ続けています。
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