インタビュー
» 2018年10月10日 08時00分 公開

退職代行サービス「EXIT」を運営して、どんなことが分かってきたのか水曜インタビュー劇場(言えない公演)(2/6 ページ)

[土肥義則,ITmedia]

「辞めます」が言えなかった

土肥: 退職代行サービスと聞くと、「なんだか怖そうだなあ」「ちょっと大丈夫かな」と感じる人が多いと思うのですが、どういったきっかけでこの仕事を始めたのでしょうか?

新野: 私は3つの会社に就職して、3つの会社を辞めました。3社で「退職したい」旨を上司に伝えなければいけなかったのですが、ものすごくつらかったんですよね。言いにくかったですし、恥ずかしかったですし、申し訳なかったですし。勇気を振り絞って伝えたところ、課長、部長、統括部長、本部長、人事……といった感じで、次から次にミーティングが設定されて、「辞めないでくれ」「考え直してくれ」などと説得されました。

 会社の偉い人に何度も同じようなことを言われると、考え直す人も多いと思うんですよね。実際、周囲でも「オレは会社を辞める」「来月には辞表を提出する」と言いながら、辞めない人が多かった。辞めたいと思っていても、説得されて、結局は働き続ける。社会人1年目のとき、私の周囲にこのような人が多かったので、「第三者に退職を依頼すれば、うまくいくんじゃないか」とぼんやりと考えていました。

「辞めます」のひとことがなかなか言えなくて

土肥: 3社を辞めるとき、どのような気持ちだったのでしょうか?

新野: 1社目は上司がものすごく高圧的でした。毎日のように怒鳴られていまして。同期が400人ほどいたのですが、私が最も怒られていたのではないでしょうか(苦笑)。「会社に就職すれば、そこで最低3年は働かなければいけない」といった“常識”がありますが、自分は辞めたいと考えている。常識に反する不安や怖さのようなものを感じていて、なかなか言い出せないでいました。

 2社目は、私のスキルを向上させるために、たくさんのお金を使ってくれました。いろんな研修を受けさせてくれましたし、海外出張も行かせてくれました。会社は「これから貢献してくれよ」と思っていたはずですが、そのタイミングで辞めることに。手厚い待遇をしてくれたので、辞めるのは申し訳ないという気持ちがあったのですが、その一方でこの会社でも上司が高圧的でして……。とても言いづらい状況でした。

 3社目では、大きな仕事を任されていました。また上司や同僚がものすごくいい人たちだったので、辞めることをなかなか言えませんでした。働きやすい環境だったので、辞めることは裏切ることではないかという気持ちがあったんですよね。これまで2社を辞めているので、「スムーズに退職できる」と思っていたのですが、3社目でもなかなか言えませんでした。

岡崎: そのころ、新野から「退職代行サービスという仕事を始めようよ」と提案されていたのですが、「やっぱり、いまの会社で働くわ」と言ってきたんですよね。当時は何を言っているのか意味がよく分かりませんでした。ただ、いまなら分かるのですが、それほど「会社を辞めます」と言うのは難しいことなんだなあと。

新野: 強い気持ちで辞めたいと思っていたのに、上司などに説得されて、考え直す自分がいました。ということは、やはり「退職代行サービスはニーズがある」と確信に変わって、その後、3社目の会社を辞めました。

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