土肥: 現在、若いお客が増えていないということですが、ではなぜ80〜90年代にかけて若い層をつかむことができたのでしょうか?
乙幡: 当時はバラエティショップがありませんでしたし、100円ショップも見かけませんでした。マツキヨの店頭でネイルを100円で販売したところ、ものすごく売れたんです。でも、いまはどこでも買えるような状況になっている。そうした環境のなかで、当社ができることは何か。美と健康を軸に置いて、その枠の中で楽しいモノをつくっていくことなんですよね。
来店客のデータを見ると、若い男性が少ない。そうした層の人たちが「ちょっと、マツキヨで買い物をするか」と感じてもらえるにはどうすればいいのか。若い男性はエナジードリンクをよく飲むし、市場もよく伸びている。こうした背景があるので、商品を開発することにしました。
土肥: エナジードリンク開発の裏には、「会社は変わらなければいけない」「若い人の心をつかまなければいけない」といった課題があったわけでよね。とはいえ、商品を開発するのは簡単ではなかったと思うんです。なぜならエナジードリンクのカテゴリーには「レッドブル」「モンスターエナジー」といった巨大ブランドが2つあるだけでなく、さまざまな商品があるから。市場は群雄割拠しているので、特徴を出すのは難しかったのではないでしょうか?
乙幡: NBと同じような商品ではダメで、彼らを上回るようなモノをつくらなければいけません。じゃあ、超えるために何をしたのか。「男性客は驚きを求めている」といった仮設を立て、カフェインを多くし、炭酸を強くしました(カフェイン65mg、アルギニン200mg)。
土肥: 一般的なレッドブルと比べて、カフェインの含有量は1.5倍ですね。
乙幡: 最大の特徴は「液色」。オレンジの缶からまさか緑の液色は出てこないだろうと思いますよね。しかし、出てくる。その驚きがマツキヨらしさではないかと考え、商品開発しました。緑色をしているので、「メロンソーダのような味なんでしょ」と思われるかもしれませんが、違う。味はシンプルに仕上げました。そのギャップを楽しんでいただければなあと。
ちなみに、今日の私のネクタイはオレンジ色で、水玉は緑色。エナジードリンクを意識して、このような色のネクタイをしてきました。
土肥: 楽しめました(笑)。
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