土肥: 2017年12月に「エナジードリンク」を発売したところ、売れに売れているそうですね。ヒットした理由をうかがう前に、マツキヨのPB戦略について話を聞かせてください。
乙幡: 日本のPBの歴史を振り返ると、1980年代に大手スーパーを中心に広まっていきました。当時はNB商品(メーカーがつくっている商品)と比較して「価格が安い」ことをウリにしているところが多かったんですよね。ところが2000年に入ると、NBによく似たデザインにして、価格で勝負するブランドが出てきました。マツキヨは06年に「MK CUSTOMER」というPBを展開しました。低価格+高品質という2つの軸をウリにしていたのですが、11年ころから「品質」を重視する傾向が強まってきたんですよね。
土肥: かつてのPBは「価格が安い」といったイメージがありましたが、セブン-イレブンが「セブンプレミアム」というPBを展開してから、消費者のニーズも変化したような。「安いモノよりもいいモノ」といった感じで。
乙幡: ですね。このころに行った調査を見ると、「PBがあることで家計が助かる」と答えた人が、減少しているんです。つまり、PBは「安ければいい」から「吟味したい」にマインドがチェンジしてきました。そうした状況のなかで、当社の「MK CUSTOMER」はどうだったのか。ちなみに、ドイさんはご存じですか?
土肥: す、すみません、勉強不足でして(汗)。
乙幡: PBをスタートしたころは「パッケージはNBに似せること」が流行っていて、当社も同じようなことをしていました。ただ調査をしたところ、お客さんからはネガティブな声が多かったんですよね。使ってみるとそこそこの評価をいただいていたのですが、「NBじゃないじゃないか!」という意見が多かった。「MK CUSTOMERの認知度が低い」「消費者が求めるPB像に変化が出ている」といった課題もあったので、リブランディングすることにしました。
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