カインズの新しい店に将来性を感じた、DIYな理由水曜インタビュー劇場(ひょっとしたら公演)(2/5 ページ)

» 2018年10月24日 07時13分 公開
[土肥義則ITmedia]

「Style Factory」出店の背景

土肥: カインズは1978年、栃木県に1号店がオープンしました。その後、少しずつ増えていって、2018年9月現在、全国に215店舗を展開している。ホームセンターの業界ってどのくらいの市場があるのかなあと思って調べたところ、トップ80社の売上高は3兆9317億円で、カインズは4142億円(2018年2月期)。業界2位の位置をキープしているわけですが、昨年あたりからちょっとユニークな取り組みをしていますよね。

 17年9月、名古屋市中区の新ランドマーク「テラッセ納屋橋」内に「Style Factory」という店をオープンしました。店内をのぞいてみると、「カインズ」の文字はほとんど見かけないのに、棚に並んでいる商品はカインズで売っているモノばかり。どういったきっかけで、このような店を展開することになったのでしょうか?

9月にオープンしたカインズ熊谷籠原店(埼玉県)

吉井: カインズはホームセンターなので、郊外に店舗を構えているんですよね。大きい箱を構えて、でっかい駐車場を備えて、たくさんの商品を用意する。そして、多くのお客さんに満足していただければと考えているのですが、このままのビジネスモデルでいいのかという課題がありました。出店エリアも限られているし、新しい客層も獲得しなければいけない。

 カインズのお客さんは50代の女性を中心に、60代以上も多い。郊外ではなくて都市部に出店すれば、30〜40代の女性が来店してくれるのではないかと考えました。ただ、人口が密集しているところに出店したことがないので、何から手を付けていいのかよく分かりません。また、これまで路面店しか運営したことがないので、商業施設のルールもよく分かりません。知らないことだらけの中で、新業態の店をオープンすることになりました。

土肥: カインズといえば緑の大きな看板をドーンと掲げていますが、Style Factoryは違う。照明はやや暗くし、内装は黒を基調にして、全体的にシックな雰囲気が漂っていますよね。商品をみると、キッチン、インテリア、寝具、美容、工具などが並んでいますが、出店にあたってどのような工夫をしたのでしょうか?

埼玉県本庄市にカインズの本社がある

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