土肥: 1号店をオープンして、ほぼ1年後に2号店を出店したわけですが、客数はいかがでしょうか?
吉井: オープンしてまだ1カ月ほどしか経っていませんが、ものすごく順調です。平日の来店客数は5000人ほどに対し、日曜日は1万人ほど。2号店の売り場面積は1007平方メートル(305坪)ですが、カインズの大型店1万7000平方メートル(5142坪)並みに来店していただいています。
土肥: 面積は17分の1なのに、客数はほぼ同じというわけですね。
吉井: ただ、カインズはホームセンターということもあって、多くのお客さんが「買いに来られる」のですが、Style Factoryは「見るだけ」の人が多い。商業施設に来られて、歩いていると「あれ、見たことがない店がある。ちょっと、のぞいてみるか」といった人が多いのかもしれません。
土肥: 店の隣に、レストラン街がありますよね。食事を楽しんだ人たちが「ちょっと見ていく?」と言って、フラフラと店内に入っていくケースも多いのでは?
吉井: ものすごく多いです。ただ、先ほど申し上げたように、カゴを持っていただけない人が多い。カインズの場合は目的買いで来られるので、店内に入るとカゴを持つ、カートを押すといった流れなのですが、Style Factoryの場合、見るだけの人が多いので、そうした人にどうすればカゴを持ってもらえるのか。そのためには、どういった商品を並べればいいのか、どういった見せ方をすればいいのか、といったことを研究していかなければいけません。
土肥: 1号店の反省を生かして、2号店で工夫したことはあるのでしょうか?
吉井: 1号店で何が売れたのか。料理、洗濯、掃除などを扱っている「RAKU KAJI」というコーナーが好調でした。次いで、キッチン用品や収納用品などを集めた「HOME DESIGN」も人気があることが分かってきました。ということで、2号店では「RAKU KAJI」と「HOME DESIGN」の売り場面積の割合を広げました。
また、Style Factoryではよく売れているのに、カインズではちょっと……といった商品も。例えば、スレート(欧米の屋根や道路などでよく使われている石)でできたプレートなどがよく売れています。同じくらいの売り場面積に換算して比較すると、5〜6倍は売れているといった感じ。このほかにも、全体的にオシャレなアイテムがよく売れる傾向があります。
一方、カインズではシーズン商品がよく売れているのですが、Style Factoryではイマイチでして。例えば、布団。やはり、都市部で住んでいる人が多いので、デザインを意識されているのかもしれません。今後、商品開発する際には、オシャレな要素を取り入れなければいけません。
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